Story Reader / 本編シナリオ / 11 九龍夜航 / Story

All of the stories in Punishing: Gray Raven, for your reading pleasure. Will contain all the stories that can be found in the archive in-game, together with all affection stories.
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両方の準備

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アシモフ、依頼した件はどうなっている?

当然やってはいるが、うまいこといってない

わかっているとは思うが、執行部隊の作戦区域はパニシング濃度を指標として決められる

表向きの濃度分類は、低、中、高の3段階だが、実際には4つ目の分類がある。それが「重篤汚染区域」だ

重篤汚染区域の定義は色々あるが、まあ単純に、俺たち生身の人間は絶対入っていけないエリアだ。血清も役に立たん

だから、そこに入る構造体のためにコネクトシステムの技術が開発されたってわけだ

コネクトシステムのことは今更説明するまでもないな。指揮官が遠隔地から構造体を指揮できる機械だってことは、あんたもよくわかってるだろうから

もちろんだ。それゆえに、いくつかの小隊に導入した

いくつか、ね……もともと少なかったうえに、今となってはケルベロスしか残ってないな

遠隔リンク技術が規則で禁じられてからは、当然、遠隔リンク適性が指揮官の資質として数えられることもなくなった。……つまり、使えるサンプルが極めて少ない

現役の指揮官のほとんどが、コネクトシステムを使えないんだよ。仮に使えたとしても――

今度は構造体の方が、そう簡単にはいかない。重篤汚染区域外周なら問題なくても、区域内深部に入ってしまえば、機体は無事じゃ済まない……

つまり、私の計画は失敗したと?そういう報告か?

失敗したとは言ってないだろ。言ってないし、この先言うこともない

俺たちのチームは、計画を第2段階に進める準備をしてるとこだ。指揮官はあとでゆっくりで選べばいい。だがな、機体はイノベーションが必要だ

イノベーション……グレイレイヴンに用意した機体のようにか?

あれよりもっと大胆な革新……俺たちは、俺たち自身が使用する新系統の機体を開発したいと思っている

具体的なプランは?

アシモフは声を低くした。かろうじて判別できたのは、――「侵蝕」の2文字

……

本気か?

あんたが許可さえしてくれればな

アシモフは2つのファイルを取り出した。ひとつは各項目の数値データ報告書、もうひとつは……レベル2機密ファイル