αの意識の深層で、私たちが耐え切れずに飛ばした部分ですね
あの日、私たちは大事な手がかりを見落としていたようです……
真実を隠されていた苦い思いは隠しきれないが、どこか期待が感じられた。まだ道は残されているのか――あるいは、運命はこの姉妹に別の結末を用意しているのかもしれない
あなたを呑み込んで、生き延びる……?
そんなことするくらいなら、ここで一緒に死ぬ方がいい!
私は、あなたを守るために……ここまで耐えてきたの……
お姉ちゃん、時間がないの!
私を「呑噬」して。そうすれば、私はお姉ちゃんの体に溶け込む。死なないよ、お姉ちゃんの中で生きて、永遠に一緒にいるの。小さい頃、お母さんを騙したみたいに
今回は、世界を騙すの
そんな危険なこと、できるわけない
時間がないの、もう怪物が来る
足手まといになりたくないの。だから、1回だけ試してみよう?
失敗したら……その時に死んじゃえばいい
そうすれば、どんな世界にいてもまたお姉ちゃんと巡り会えるから
ルシアは全身から血が流れるのを感じた。音もなく零れ落ちる血の涙。何度も目元を拭い、眼前の惨状を見据え、闇の中で妹を抱きしめる。そして全ての力で包み込み、融合した
αは曇った鏡の前に立ち、右目をじっと見つめ続ける。やがて鏡の中ではその瞳の世界が拡大され、ついには鏡面全てを覆った
鏡の中で目覚めたルナは、微睡みながら姉に甘えた
コレドールの様子がおかしい
キャビネットいっぱいに、私の血を集めてる
ルナは重要な情報を耳にして、小さな獣のように警戒して身を起こした
殺意を感じるわ。お姉ちゃん、あの子を殺すつもり?
いいえ、医者を替えるか考えているだけ。信用できない相手に命は預けられないもの
好きにさせてみたら?コレドールがどんな大胆なことをするのか、見てみたいの。もしかしたら何かサプライズがあるかも
例えば……私を収められる完璧な器を作るとか。あの子、まだ人形を作ってるのかな?
相変わらずね……わかったわ
もう行くわ。ルナも疲れているでしょう
あの出来事の後、αは巨大な力を手にした。しかし、ルナの魂は封印せざるを得なかった。ひとつの肉体に、ふたつの魂はあまりにも重すぎた
αは霧と街の間を何度も行き来し、ルナにふさわしい
心配はいらないわ。たとえ脅威があっても、私たちが追い詰められることはない
私がいる限り、誰もお姉ちゃんの脅威にはならない
ルナ……時々、あなたが幻なんじゃないかと思うの。だから私たちは、ここでしか会えない
だから、ずっと死を望んで戦場へ身を投じてきたの?瀕死の極限で「私」が現れるかどうか確かめるために……この体の主導権を奪うかどうかを
本当に狂っているのはどっちかしら
ルシアの名前を捨ててαになったのは、あの夜を永遠に忘れないためだったのね
でも……「α」は私たちの誇りだよ。お姉ちゃんの罪じゃない
ルナがいたから、私はαになれた。ルナがいたからこそ……彼女を許すことはできない
「私」への憎しみだけが、今もあなたを感じられる唯一のものなの。それを失ったら、どうやって生きていけばいいのかわからない
……お姉ちゃん、死なないで。私の傍を離れないで……
ルナはαの胸の中で静かに消えていく。女爵は、この喪失にいまだ慣れることができずにいる
