Story Reader / Affection / ルシア·逆冠·その4 / Story

All of the stories in Punishing: Gray Raven, for your reading pleasure. Will contain all the stories that can be found in the archive in-game, together with all affection stories.
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ルシア·逆冠·その7

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αはバイクを駆り、こちらを乗せて巨大な建物へと走る。背後のあの暖かな家は、夕暮れの中にゆっくりと溶けていった

しばらく走って居住区から遠ざかると、周囲の景色は次第に寂寥を帯びていった

あの幻影、確かに一部は私の「心」から出てきたものだわ

αは首を振った

恐らく、前の霧域での戦いが関係しているのかもしれないわね

こういうのも……悪くない

ふたりはそれ以上言葉を交わさず、エンジンの轟音だけが空虚な道路に響き渡った

やがて、道路の先に見慣れた「裂け目」が現れた

「裂け目」を通り抜け、束の間の暗闇と喪失感を経たあと、砂礫と土埃の匂いを感じ取った

そこは、死の静寂に包まれた広大な荒野だった

その中心には、息を呑むほど巨大な衝突跡がある。穴の底の中央には、無惨に崩れ落ちながらも、まだ一部の構造が残る巨大な建造物……空中庭園が立っていた

凄まじい衝撃が全てを破滅させようとしたのは明らかで、大地は引き裂かれ、捲り上がり、深さ数百mにも及ぶ円形の谷を形成している

本来なら木っ端微塵だったはずだ。しかし墜落の前に何らかの試みがなされたのだろう、そのお陰か空中庭園の主構造の一部は、今も深い穴の中に立っている

着いたわ

これは私と彼女の決着よ。任せておいて

バイクのエンジンが低く唸りを上げ、矢のごとく荒野の緩やかな斜面を駆け下り、穴の中央へと突き進んでいく

下り坂で加速して穴の底の斜面を駆け上がり、崩れた傾斜を足場に更に上へと突き進む

ドォン――

バイクは斜面を掠めて空中に飛び上がり、足場にたどり着いた。αが見下ろすと、視線がちょうど見上げる瞳とぶつかった

ふ……

バンッ――

バイクは轟音とともに着地し、その衝撃で数枚の石板が粉々に砕け散った

αは身を翻してパイクから降り、右手を腰の刀にかけた。刀身から眩い赤い光が放たれる

死ぬ覚悟はいい?

自ら体を捧げに来たことに免じて、ひと思いに終わらせてあげるわ

「影」は左手で鞘を握り、ゆっくりと刀を抜き放つ。赤い稲光が刀身に纏りつき、宙で弾けるような音を立てた

言葉が終わると同時に、ふたつの姿が消えた。

次の瞬間、2本の大刀が鋭い咆哮とともに激突した

刃と刃が交わった刹那、衝撃波が津波のように広がり、地上のあらゆる瓦礫を吹き飛ばす

この世界も、この白い霧も、いずれ消えると悟った時から、私は脱出する方法を探していた

そしてついに、パニシングであなたを引き寄せた!

「影」の動きは鬼神を思わせる速さで、交錯する刀光は破滅の嵐を生み出していく

あなたの身体を手に入れ、生き残る資格を手に入れるのよ!

αは鼻で笑い、鋭い斬撃で「影」の身にひと筋の傷を刻み込んだ

やはり所詮はただの哀れな幻影ね。影なら影らしく……永遠に足下に這いつくばっていなさい

「影」、絶対に私が勝つのよ。なぜなら……

私はルシアであり、α。私こそ全ての始まり。これは……私が始めた物語なのよ!

αの刃が空気を裂き、凄まじい気迫とともに「影」の心臓を貫かんと迫る

しかし「影」は動かない。むしろ1歩、ずいと前へ踏み出し――致命の刃へと身を投じた

シュッ――

深紅の長刀が彼女の胸を貫いた。だが「影」は依然として笑みを浮かべ、1歩、また1歩と距離を詰めてくる

白い霧がまるで生き物のように「影」の体へと群がる。霧が傷口に触れた瞬間、肉の端が蠢き、再生を始める

だったら、あなたの物語は私が終わらせてあげる!

次の瞬間、彼女の姿が忽然と消え去り、その身は白い霧と化して弾け飛んだ。白い霧は狂気を孕み、α目がけて怒涛のごとく襲いかかる

――!

αの瞳孔が収縮し、身をよじって避けようとした

――だが、間に合わなかった

霧はすでに目の前まで迫り、あらゆる僅かな隙間から彼女の体内へ潜り込んでいく

あなたが無類の強さを誇ることは知っている。だから、最初から命懸けで戦うつもりなんてない……

意識海を奪い、魂から体ごと喰らい尽くすまで!

チッ……!

全てが静寂に包まれた

αは魂を抜かれたかのように、崩れ落ちて膝をついた

次の瞬間、彼女は勢いよく顔を上げる。赤い瞳が激しく明滅する……まるで狂気と理性が交錯するかのように

歯の隙間から絞り出される声は低く、押し殺したように響いた。まるで体内の何者かと戦っているようだった

出て……いけ……

彼女の体は激しく震えていた。残された最後の理性を振り絞り、すぐ傍らにいるこちらへと勢いよく顔を向ける

……受け取って!

彼女は全力で長刀を投げ放った。刃は空を裂きながら回転し、こちらの足下へと突き立った

彼女の瞳から、「α」としての光が急速に失われようとしていた

ここは……あなたに任せた

言い終わった瞬間、その瞳に残っていた最後の理性の光は、荒波に呑まれる孤島のように完全に消え失せた

ドォン――!

真紅の気配が決壊した濁流のように彼女の体から溢れ出した。パニシングと稲妻が周りを巻き込み、地面の石板を粉々に砕いていく

彼女の瞳は狂気に閃き、この場で唯一の生命体……人間の指揮官に狙いを定めた