深痕の秘密1
新機体の外観と規格はこれまでの零度と大きく異なるため、初めて深痕の機体で姿を現した時、一部の粛清部隊員は隊長だということになかなか気づかなかったようだ。深痕の秘密2
粛清部隊の隊長に任命された時、粛清部隊員のほとんどは不満を持った。だが、ビアンカが「礼儀正しく」全員を訓練室に招待して1日を過ごしてからは、不満の声がまるで消えてしまった。深痕の秘密3
読書や文芸作品を好む。かつては自ら映画の台本を書こうとしたものの、タイトルを決めるに当たって言い尽くせぬ巨大な困難にブチ当たり、計画は今日まで中断している。深痕の秘密4
セン曰く、ビアンカは「強烈な攻撃性を秘めている」そうだ。当のビアンカには心当たりがないが、何をどう訊ねてもセンは根拠を言わなかった。深痕の秘密5
頭部装着型の逆元装置は遡源装置に合わせて開発された特殊タイプで、環境中に残留するパニシングを最大精度で捕捉できる。関節部分は回転するように見えるが、その実回らない。深痕の秘密6
「ランプ」の感覚との融和を図るため、遡源装置に照明機能が搭載されている。ただ照明と合わせて装置内の母体の組織も発光するので、不測の事態を危惧するビアンカは一度もこの機能を使用したことがない。深痕の秘密7
趣味は映画鑑賞。宿舎に名作映画をコレクションする棚を置き、給料のほとんどを注ぎ込んでいる。深痕の機体に換装後は、騎士が登場する黄金時代のファンタジー映画にも興味を持ち始めたらしい。深痕の秘密8
剣杖の名称が「ヘカテ」に決定する前、武器デザイナーの個人ファイルには「聖剣-ブラックカリバーン」の仮名が記されていた。ビアンカの趣味ではなかったようで、提案即却下の憂き目に遭った幻の名称である。深痕の秘密9
実はセンとかなり仲が良い。休みの日にはふたり一緒に映画を観に行ったこともあるようだ。ただし、恋愛物を観るかスパイ物を観るかで盛大に揉めたとか。深痕の秘密10
「腰抜け」と揶揄されるビアンカが粛清部隊を統率できるよう、センは陰ながら奔走していた。ビアンカもそれをわかっているが、互いにそのことには触れないようにしている。深痕の秘密11
遡源装置がビアンカの意識海に不可逆的な損傷を与えることを恐れ、カレニーナは黒野に装置の構造と安全性の徹底究明を猛烈に要求しては拒否され続けた。ビアンカはかなり長い時間をかけてカレニーナを諭したようだ。深痕の秘密12
粛清部隊と執行部隊はフィールドが異なり、実際にグレイレイヴン指揮官と接触する時間はそう多くはなかった。初めての深層リンク時、指揮官はその安定性を不安視していたが、蓋を開けてみれば毎回同期率が極めて高く、安定している。