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構造体になる前、舞踊を学んでいたこともあったが「優雅な踊りというよりカンフーや雑技団の曲芸」と評価されていた。本機体の攻撃動作も、その舞踊から生まれたもの。002
「構造体は機械の体を持つ人間、と負屓が言っていました。……であれば、人間の心を持つ機械も絶対にいるはずです!」幼い蒲牢にとって、機械と人間の間に本質的な違いは存在しない。天真爛漫ゆえの誤謬に思えるかもしれないが、傲慢な人間には気づかない真理なのかもしれない。003
負屓の調査によると、本機体には出力面に突出したデザインは施されていない。つまり、蒲牢の怪力は制作者による精密な機体調整と、蒲牢の意識海に刻まれた独自の力によるものである。004
力を出しすぎてしまうことを恐れて、普段の戦闘では武器を持たない。旋龍刃を選んだのも、十分な重さがあるので、もし勢い余って手からすり抜けてしまっても、そう遠くまで飛んでいく心配がないから。005
夜航船に乗る前のことは全て忘れてしまったが、その記憶はきっと宝物のように大切なものだと理解している。そして、その宝物と引き換えに得たものが、それよりも遥かに大切なものであることも。006
「価値というものはよくわかりませんが、それを探しているみんなや、そのみんなが大切にしている全てのものを守りたいんです。」人は誰もが自分自身の価値を探し続けるものだが、実はそれを追い求めること自体に価値があるのかもしれない。「蒲牢」が夜航船で経験したこと全てにも。