相手は戦争のために作られたバイオニックだぞ……特殊作戦専用の構造体の俺たちが相手になるかよ!
無駄口を叩いている暇があったら迎撃しろ!
ガアァッ!!!
あの時と同じだ……あの御伽話と……航路連合はまた、バイオニックに滅ぼされるんだ……!
肝心な時に守林人どもはどうした!?やっぱりあいつら亜人型の仕業に違いねえ!
くそっ、ガラクタのバイオニックどもが!俺たちはお前らを作ったご主人様だぞ!
損傷を気にするな、攻撃を続けろ!
バイオニックは航路連合の防衛線への衝突を繰り返し、戦場には恐怖という感情が拡散していく
こ……これは……
駆けつけたマーチンとバイオニックの眼前に広がるのは、まさに地獄の光景だった
ナナミ、俺たちでなんとかしないと!
……おかしいよ
ああ?
ナナミは一言もしゃべらず、戦場の隅から隅までを見渡した
グルルル……!
俺、こんなとこで死んじまうのか……?
…………
漁師がバイオニックに引き倒されたが、クマ型のバイオニックは次の攻撃をしない。それどころか、明らかにとどめの一撃を与えるのをためらっている。だが——
グッ……!
ガーーァーー!
横から飛び入ってきた別のクマ型が、仲間の意志を無視して漁師を踏みつける
…………
ためらっていた方のクマ型は急に横入りした仲間を咎めることなく、再び動き出して次の目標に向かっていった
お前ら!
……マーちゃん。あれは侵蝕体だよ
こういうの、いっぱい見てきたからわかる――ナナミの言葉を聞いたバイオニックたちに動揺が広がる
俺たちの中の誰かが侵蝕されてるってのか?まさか、他の連中も……
ううん、侵蝕が広がることはないと思う。侵蝕体が何をしに来たのか、やっとわかったよ
どういう意味だ……?
侵蝕体はね、憎しみをばら撒いてるんだ……もちろん、侵蝕体を操ってる誰かの仕業で、そいつはきっとどこか安全なところから見てる
…………
…………
ナナミ、メチャクチャ怒ったよ!!!!!!