ごめんなさい、うるさかったかしら?
戦闘を終えたαがベンチに戻ると、ルナは目を覚ましていた。αの気遣いに対し、ルナは頭を軽く振って答える
ううん、大丈夫
…………なに?
ふふ……やっぱり似合ってるなって
まあ、質感は悪くないわね。刀を振るのに邪魔にもならないし。黄金時代の有名なブランドみたいね
そういうことじゃないわ
ルナの言葉に、αは少し考え込む。すぐに何かに思い至ったようだ
……写真を撮りたいなら、そう言ったらいいじゃない。こっそり撮る必要はないわ
言ってしまったらこんな姿撮れないじゃない
それは……そうだけど……
もう遅いし、戻りましょうか
ルナは立ち上がり、上着をαの肩にかけて来た道を戻っていく
そうね
αはうなずき、上着を着るとルナの後ろに続いた
ルナとαが去ったあとの遊歩道に、物陰からひとりの人物が現れた
彼はふたりが去った方向を見つめ、考え込んでいる
……