食べ物を探していて、ある加工工場に入ったんだ
工場の様子は何だかおかしくて、誰もいないのにまだ運行しているみたいだった
通路に沿って防音板を乗り越えて、工場内部に入った。機械の轟音が天井を壊しそうなほどだった
そこには無数の太阿と驍衛が生産ラインに並んでいて、生産ラインに沿って巨大な機械の流れの中に運ばれていた
――そして作業台で粉砕され、押しつぶされ、ただの屑鉄になった
これは正しい決定だ
太阿の使命は人類を守ること
そう、もちろんわかってる
機械は命令に従うまで。太阿の最終指令は人類を守ること。全ての太阿はまったく同じで、シンプルかつわかりやすい
しかし、君はずっと特別だった。君がどのような選択をするのかはわからない
君のことを嫌いと思ったことはないよ。私は感情モジュールを搭載していないから、好きか嫌いなのかを感じることがないだけかもしれないけど
ただ、慣れてなくて、困惑しているんだ
G3……申し訳ない。一瞬だけ動揺したことがある。自分がこの世に存在する意義を疑った
私はこの世には悪意、抵抗があると感じた
しかし同時に……人類は、初めから……善意を持っているんだと感じた。守ることに値する存在だと
だから今回、私はプログラムによって指令を執行するわけではない
ただ私が人類を選んだ。なぜなら、その人類は私にとって唯一無二だから——
何があっても彼女を守る