Story Reader / 外伝シナリオ / EX01 グランブルー / Story
待っていたぞ
まずは、目的のためとはいえ貴様らの邪魔をしたことを詫びよう
だが、全てはルナ様のご意思だ。ご理解願いたい
環城の時のようにはいきませんよ
今回は私たちを止められないかもしれませんね
そうか。だが生憎、私も以前の私ではない
――Laguz
ロランの時と同じだ。ガブリエルの言葉が、全員の通信チャンネルに反響し、捻じ曲がる
そのうえ、ガブリエルの言葉の力はロランよりも遥かに強力だった。ささやきは轟音となり、隊員たちの意識海に反響する
チャンネルから伝わる耐えがたい音に、皆は姿勢を保つだけで精一杯だ
カムだけはなんとか抵抗できたようだが、ガブリエルの目的に気づいた時はもう遅かった
――グレイレイヴン指揮官はガブリエルに捕らえられている
なんと愚かしいことか。いつの世も、人間は自ら破滅を招く
近い将来、パニシングを根絶したその時、人間はおのが守護者として信奉してきた構造体すらゴミ同然に打ち捨てるだろう
これもルナ様のご意志
私からすれば、人間など片腹痛いもの。パニシングが何たるかをまるで理解していない
――視界が色彩を失い始める。窒息の兆候だ
もちろん、人間そのものに対して何ら恨みはない
いずれはパニシングに淘汰される、哀れな存在だ
あらゆる塵芥が……散り尽き、昇格ネットワークの……庇護される者のみが……生き残る……
視界は光すら失い、一面の黒だ。目の前にいるはずのガブリエルさえも認識できない
これが……結末だというのか…………
……………………？
アハ、散々な目に遭ったようね
？
計画通りにいくわよ
榴弾4発がガブリエルの頭上で炸裂した
このッ！小バエめが！！
別にあなたを攻撃したわけじゃなくてよ！お馬鹿さん！
視界を刀の閃光が両断し、世界が光を取り戻した
同時に、耳障りな音も消えたようだ
起きられるかしら？
身を起こすことで応えたかったが、まるで手足の骨が取り除かれてしまったかのように動くことができない
チッ、やっぱり人間は脆いわね
人影が身を屈めた気配がしたかと思うと、うつ伏せ状態の身体を強引にひっくり返される
今は何も感じていないでしょうけど……先に言っておくわ。少々の痛みは我慢することね。すぐにまともな状態に戻るわ
――気づいた時にはもう、人影が取り出した棒状のものが自分の胸に思いっきり突き刺さっていた
ヴィラ！
静かになさい。早く衛生兵を呼んで片づけて頂戴
私はアドレナリンを注射しただけ。そうでもしなきゃ、[player name]は10分ももたずにお陀仏してたでしょうね
そちらの衛生兵はCPR装置くらいお持ちでしょう？あとは任せるわ
……？
早くしなさいよ！私は人間用のCPR装備なんか持っていないし、冗談も言ってないわよ
は、はい！
……なぜ、助けたんです？
[player name]のこと？ただのついでよ
メインディッシュは……これからですもの！
ヴィラはサーベルを取り出し、榴弾の衝撃波から回復したガブリエルへと向けた
ごめんなさいね、ビッグガイ。あなたは上司に命じられた仕事を全うしているだけなんでしょうけど、私もなの――あなたを片づけるのが私の仕事
……愚かなことだ
アハ、異論なしってことね
言っておくけど、私以外にちょっかいをかけたら……後ろからあなたの首、斬り落としてあげる
礼はいらないわ、介錯は得意なの
……
ガブリエルは黙ったままだったが、戦う相手をヴィラと定めたようだ
アハハ。ご理解感謝するわ。お互い素敵な痛みを感じられますように
