Story Reader / 外伝シナリオ / EX01 グランブルー / Story

All of the stories in Punishing: Gray Raven, for your reading pleasure. Will contain all the stories that can be found in the archive in-game, together with all affection stories.
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EX01-15 血まみれの告白

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やあ、友よ

やめよう、「友」などという言葉はナンセンスだ。それに、君はもう気づいているだろう?これは決して狂人によるうわ言などではないと

君は考えたことがあるか?死を迎えるその日、それは一体いかなる日なのか

私はいつ死んでもおかしくない。もはやごまかす必要もないほどに「あの場所」に近づいている

だが、不思議なことに、一片の悔いもない

連中に追われ、焼けた鉄を尻に当てられたネズミのように逃げてきた

研究施設がロランによって灰にされ、私は恐怖のあまり立ち竦んだ

そして、私を裏切ったのが「ゴッドファーザー」だと知るに至り、何も考えられなくなったのだ

あるいは連中の頭目……あの小娘が言った通り、人間は脆弱で、卑劣で、信頼に値しない存在。きっとそうなのだろう

――これでようやく“終わる”気がするよ、ようやくだ

すまないな、友よ。これは決して胸躍る冒険物語などではない

今になって、自分が臆病者であるということに気づいたのだ。人を殺すにも、何者かにナイフを握らせてもらえなければできやしない

ああ、友よ。これでさようならだ

誰かにきちんと別れを告げたことはなかったからな。せめて「想像上の友」である君には、一言くらい言わせてくれ

一方、隠し通路の反対側、「メイン広場」では……

……最後の食事はきちんととった?

ああ、忘れてたわ。人間じゃないんだもの、食事は必要ないわね

ショーメイ

……

家族やお友達とのお別れは?

……冗談よ。家族もお友達もいないんでしょう?

ショーメイ

……

何も持っていないあなたでも、最後の睡眠くらいは気持ちよくとれたかしら?

ショーメイ

……

黙り続けるショーメイに対して、ルナは静かに頭を振った

可哀想な子……

人生最後の日が、こんなにも悲惨だなんて

ショーメイ

やはりお前が欲するものは、私が知っているものではなかったのだな?お前があらゆる手段を講じて私を捕らえようとしたのは、知るためではなかった

お前はとっくにわかっていた。お前の目的は、私を殺すことだ

……

そうね。どうでもいいわ

ショーメイ

……どうしてだ?

……どうして?

慈悲深い代行者があなたに「昇格者」という庇護を与えたのに、あなたはその新たな生命を使って、踏み込むべきではない領域を土足で荒らしたから……かな?

人間は救うに値しない存在であると……あなたの死によって、地上にいる他の代行者に伝わればいいのだけれど

ルナ様、遊園地各所に保管されていた情報のバックアップは全て破壊されました

いつでも死刑ご執行ください

ショーメイ

そういうことか

お前たちは「昇格ネットワーク」の恩恵を独占せんとしたのだな?

たかが人間の器の分際で、ルナ様のご意思を推測するなど!

ふふ、ありがとうガブリエル

そろそろゲストが到着する頃合いね……

はい、すでに近くまで来ております

じゃあ、最後に。何か言い残したいことはある?

ショーメイ

……お前たちは一体、何を待っている?

そうね、何を待っているのかしら?

でも……安心して?あなたが待っているものとは別のものだから

……ラミア

すぐさまX型の影がルナに這い寄り、徐々に具現化し始めた

はい……ルナ様

私のお使いは終わった?

はい……全部、終わりました

いい子ね

褒めているのか、戯れているのか、ルナは手を伸ばすと軽くラミアの顔をなでた

ル、ル、ルナ様……

ご苦労さま、よくやったわ。下がって待機していてちょうだい。全てが終わるまで待っていて

グレイレイヴン一行がメイン広場に到着した時には、凄惨な光景が広がっていた

広場一面に飛び散る、構造体の残骸。それから、巨大なバイオニックの像を眺める、何者かの大きさな背中

その何者かが、ゆっくりと振り返った――

待っていたぞ

グレイレイヴンの到着直前……

……時間ね

ご命令を

うん、いいわ

空中庭園のゲストたち、ずいぶんと遅いのね

これもルナ様の計算ですか?

そうよ

私たちの問題は、私たちが解決しないと

ルナの言葉とともに、背後の巨大な像が変化し始めた

ショーメイ

……ピー?

ルナ

最後にあなたがここに来た理由はこの像……いえ、像の投影の下にいる「サメピー」ね

――あなたが幼い頃にデザインした、可愛らしい防衛ロボット

ショーメイ

…………なぜそれを知っている

ルナ

自分で言っていたでしょう。あなたが知っていることは、私も知ってる。あなたがやりたいことは、私がやりたいこと。違う?

死出の旅が少しでも楽しくなるといいわね

像の中から影が飛び出し、徐々にショーメイへと近づく

あぁ……あああっ!

や、やめろ、ピー……

影はショーメイの身体に、食いちぎらんばかりの力で噛みついた

ショーメイ

ぐはぁ……が……!!!

影はまたたく間にショーメイを像の中へと引っ張り込む。あまりに一瞬の出来事で、影がどうやって再び像へと戻ったのか、視認することすらできなかった

彫像内から粗雑な機械の作動音が聞こえてくる。粉砕され、切断されるような音は、まるで何かを咀嚼しているかのようだった

悲鳴もない。咆哮もない。ただただ咀嚼音が響き、像の足下には液体とパーツが飛び散った