ふぅ……
敵が倒れたのを確認し、歩き出そうとした蒲牢だったが、ビアンカに思いっきり襟首を掴まれた
4時方向に機械構造物を検出、距離15mです
デジタルマップを照会……先ほど通過した砂丘に入口があるようですね
私たちを誘引しているのでしょうか?
少々お待ちを。偵察ドローンを飛ばします
……ドローンの信号が、消えた……
ちょっと見せて……
?
...…ここを左に曲がったら、スイッチがあるはず
……どうしてわかる?
……別に、信じなくてもいいよ
ここ……
今しがた、妙な空気音がしました
見せてください
……扉に接続されたハンドルですね。どうやらこれが扉のスイッチのようです
……いえ、トラップの処理に多少慣れているというだけです
うーん?この扉……なんで閉じてるの?この前は確か……
……!そんなこと、どうでもいいじゃない!
……
蒲牢は指揮官には構わずに、ハンドルに手を掛けた
う……重っ……何これ……なんでこんなに重くなったの……
強がることはないですよ……僕も手伝いましょう
指揮官は結構です。人間の筋肉の出力は、僕らの20分の1もないんですから
それに万が一怪我でもしたら……大変です
リーと蒲牢のふたり掛かりでハンドルを回した結果、重い鉄の扉はゆっくりと開いた。広い通路が目の前に現れる
ふぅ……
うーん……間違ってはない、と思うんだけど……
通路の奥深くを覗き込んでいた蒲牢は、喜色満面で振り向いた
間違いないよ!あたしが言ってたのはこの通路のこと!
指揮官、彼女のことをそうも持ち上げるのはちょっと……
……考えてみれば、指揮官の仰る通りですね
そして、暗黙の了解のように、皆が蒲牢を囲んで拍手し始めた
……????
な、なんなの一体!?