そろそろ終わりか?
もう少しよ、あと20秒!
5秒!
閉幕よ!あとは残りの侵蝕体を始末すれば……
威勢のいい銅鑼と太鼓の音が徐々に小さくなり、緞帳を下ろすための滑車が錆びた音を鳴らして動き始めた
だが、何十年もの間使われていなかった滑車は、緞帳の重さに耐えきれず、バラバラになってしまった。重い音を立てて緞帳は舞台に落ち、埃が舞い上がる
今、我が身は金色の鎧をまといて、双剣を――箱に封ず――
ああ――故郷に春きたる時――我は山河を巡礼せん――
御前の金石衛に――千里眼の百里弓に――家を飛び出した鈴花姫に――許将軍に手を合わせん——
無伴奏の長台詞が終わり、文四郎自身の幕が下りる時が来た
もう、一言の台詞を発するエネルギーも残っていないかもしれない
だが、文四郎にとってはどうでもいいことだった。ついに、最後の芝居をやり遂げたのだから
好きにさせてあげましょう。今は瑠璃頂の浄化塔を探さないと
それこそ、あいつに礼を言うべきだな。あれ見ろよ
?
舞台の天井に大きな穴が……どうやら落ちたのは滑車だけじゃなかったようですね
大きな穴の向こう、朧気に見えるのはCPF浄化塔の輪郭に違いなかった