Story Reader / イベントシナリオ / 星摘みの叙述 / Story

All of the stories in Punishing: Gray Raven, for your reading pleasure. Will contain all the stories that can be found in the archive in-game, together with all affection stories.
<

カムイ 星摘みの叙述

>

市場で見慣れた姿を見かけた

あらまあ、信じてくださいよ。こんな誠実そうな顔して、嘘なんてつくはずないでしょう?

このセット、あのダブルオーシックスも使ってよかったって言ったんですよ。間違いなくお買い得ですってば

マジかぁ……激シブじゃん

カムイは目の前の機械の話にすっかり呑まれて、ただただ頷いては金髪をぽりぽり掻いていた

もう、深く考えすぎないで!今すぐ包んで差し上げますからね!

[player name]?

うわ、偶然じゃん!買い物に来てたの?

ちょっと変装グッズをね。昔さ、九龍船の潜入任務で俺がスカート履いたことあったの覚えてる?

――どうして忘れることができるだろうか

任務自体は成功だったけど、どうも途中の俺の動きに上層部が満足してなかったみたいでさ。あれ以来、変装任務がこないんだよ

なんでもいいんだけど、ただ色んな任務に対応しとくかって思ったんだ。技は多い方がいいだろ?

サンキュ、面と向かって褒められるとやっぱり嬉しいな。でもさ、足踏みしてちゃダメだ。目指すは、大神威を三刀持ちで戦えるレベル!

——風を舞い上げれば、巨大な竜巻を巻き起こすはずだ

また変装任務を任されるように、いっちょ変装スキルを鍛えることにしたんだよ。それで、まずは道具選びから始めてる

そう言ってカムイは腰に手を当て、得意げに体をひねって、店主が今まさに包もうとしていた手の中の鉄屑を見せびらかした

な、何を!根も葉もない言いがかりをつけるな!

激しく言い返されたが、この機械体の店主はすぐに形勢不利となった

ご助力に感謝いたします

くそっ!

騒ぎを聞きつけた警備が駆けつけ、悪徳商売を行っていた機械体の店主はすぐさま連行された

えー、嘘だったのかよ。あのガラクタ、本当に使えると思ったんだけど……だって、スパイ映画ではペンがレーザーになるシーンとかあるじゃん?

まぁ、仕方ないか。[player name]、次の店も一緒に見に行かない?

せっかく会ったんだし、付き合ってよ。だって、また次の店でも俺、ダマされるかもよ?

カムイの言い分はもっともだ。だが……

[player name]、見てこの超ミニスカート!今度の変装、これイケるんじゃない?

やめてくださいよ!もしこのお客さんが履いたら返品不可になりますって!サイズも合わないし、絶対破れちゃいます!

店主はカウンター越しに素早く身を乗り出し、そのミニスカートを取り上げた

ミニスカートから覗くガチガチの大腿筋……その姿を想像しただけで、何か寒さを感じた

却下、却下するしかない!

えー、いーじゃん別に……

カムイはかなり残念そうだが、女装を練習する必要なんてあるだろうか……空中庭園には女性構造体も多い。毎回、男性が女装する必要はないのだ

指揮官、このネクタイどう?首に巻いたらスッゲー賢そう。今の俺なら、大学教授の変装イケるんじゃない?

すぐに立ち直ったカムイは、次の店で試着用のネクタイを手に取り、演技を始めた

わははは、ワシにはXの値がわかったぞ!

えっ……

現実はRPGじゃない。装着しただけで頭がよくなるアイテムなんて、存在しないのだ

そか、質問されたら一瞬でボロが出るな

じゃあ、シェフは?このエプロン、防御力高そうだし!

ネクタイを諦めたカムイは、すぐ横に合ったアニメの絵が描かれたエプロンに目を移した

映画とかでさ、よく厨房で戦うシーンあるじゃん?エプロンの防御力が高かったら、任務の成功率も上がるだろ

そう言いながら、カムイは拳を構え「アチョー!」と言いながら、映画で見たと思しきカンフーのポーズを披露してみせた

[player name]のその顔……似合ってないってことか。じゃあ、いっそ子供のフリをするのはどう?砂遊びなら超得意だし……

ぐっ、ううっ……

連続して否定されたカムイは、がっくりと肩を落とした

はっ!俺にぴったりの変装、あるじゃん!

慰めようとしたその時、カムイは何事もなかったかのように顔を上げ、ぱっと笑顔になった。それから両手でこちらの肩をバンバンと叩いてくる。真っ直ぐな眼差しが眩しい

ふふふ、俺に一番似合う変装、それは[player name]の付き人!

俺ってウソつくのが苦手だし、実行段階でも失敗しがちじゃん?でも付き人ならそういう心配いらないし、やることは「上司を守る」だけだから、ピッタリじゃない?

[player name]を守ることなら得意分野だからね、へへ

次の潜入任務は、俺と[player name]を行かせてくれって言っとこ。[player name]が表に立って、俺が後ろから[player name]をしっかり守る。完璧じゃない?

わかってるって。スケジュール調整もだろ?その辺もちゃんとするからさ。ほら、まずはこれを着けてみてよ、[player name]

そう言って、カムイは七夕の飾りがついた帽子を手に取り、そっとこちらの頭に被せた

変装のトレーニング。設定は、コンステリアにバカンスに来たボスと付き人ね、[player name]

おー、その帽子、よく似合ってるぜ。被ったら急にボスって感じが出てきたよ、「ボス」!

カムイの連発する「ボス」に反応しきれず、帽子の形を整えられるがままにしていると、手を引かれてそのまま店を出てしまった

ボス、今日のスケジュールはもう俺が考えてある!まずは通りの屋台から見に行こう。さっき面白そうなのを見つけたんだ

それは第一目的地に着いてから話そうぜ、ボス!

……こんなに騒がしい付き人がいたら、目立ってどこにいてもすぐバレるはず……?