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All of the stories in Punishing: Gray Raven, for your reading pleasure. Will contain all the stories that can be found in the archive in-game, together with all affection stories.
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ナナミ 星摘みの叙述

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みんな~、こんにちはっ!七夕ラジオのはじまりはじまりぃ~!拍手っ!パチパチパチパチ!

今日はね、ナナミとぉ、特別ゲストを呼んでるのっ!みんなは誰だと思う?

ふふ~ん、そうっ!グレイレイヴン指揮官、[player name]です!ささ、自己紹介どーぞ

ナナミが七夕会場の片隅の目立たないスペースにひょっこり現れ、小さなテーブルをどかっと置いた。どうやら昔のラジオ番組を真似しているようだ

テーブルの引き出しはぎっしり何かが詰め込まれているようだ。一体、何が入っているのだろう?

あっ、初めてでちょっと緊張してる?でも大丈夫~!みんな、指揮官のこと知ってるからね!

へへ、さすが指揮官、話が早い~!

ナナミは相変わらず茶目っ気たっぷりだ

ではでは~!CMが終わったところで、ゲスト質問タ~イム、スタートっ!

あっという間に七夕だねっ、指揮官は今年の七夕をどんな風に過ごしてるの?

本当?ナナミが一番のりで話しかけたんだ!やったぁ、えへへ

うんうん、ってことは、さっきは休憩のタイミング?ぴったりだったね

さてさて、七夕といえば~!お互いの気持ちを伝えたり、日ごろの感謝を言い合う日だよね!それにさ、どの屋台も今日は超本気モードだよね~!

——というわけでっ!今日のテーマは「七夕プレゼント品評会!」

パチパチパチ!

声で拍手の音を出しながらナナミが引き出しを開けると、中には恐らくその「プレゼント」がいっぱい詰め込まれていた

さぁ、まずはどれにしよっかな~。あっ、これがいい!

引き出しはまるで4次元の袋で、どれだけ探っても底が見えそうにない。ナナミはシュシュシュッと擬音を呟きながら、中から粘り気のある物体を取り出した

このぷにゅっと柔らかい感触に、可愛いデザイン!まさに七夕の最優秀デザインと言っても過言ではない!?そんなイチオシの目玉プレゼント、それが——

異合生物もどき、もっちりぷにぷにサンドバッグ!

思わず突っ込んでしまった。サンドバッグは見た目の再現度がかなり高く、離れて見ると本物そっくりだ。こんなグロテスクな外見の物を買う人がいるだろうか?

あれ?指揮官的にはイマイチ?でもねでもね、超人気商品で売り切れ寸前だったんだ~。お店の人も「ストレス発散に最適!」って煽ってたし

ナナミは話しながらサンドバッグに拳を1発食らわせた。すると、「異合生物ダミー内臓」が、表面に開いたたくさんの穴から勢いよく飛び出てきた

ほら指揮官、ストレス発散に最適だよ!

がーんっ、ハズしたかぁ……でもっ、ナナミはこんなことでへこたれないよっ!

リスナーのみんな、次のプレゼント、いっくよ~っ!!

ジャジャーン!侵蝕体のギロチン!

店主のオススメポイントとしては、置物として使う以外、パーティのゲームにも使えるんだって。6つのボタンのうちひとつだけ、押すと侵蝕体の首をチョッキンするんだ

じゃあ、コレ!っと……よし、セーフ!次は指揮官の番ね

カシャッ!

ボタンを押した瞬間にギロチンの刃が勢いよく落とされ、侵蝕体の玩具の頭が切断され、すごい勢いで数mほど飛んでいった

ナナミ

見た目はちょっとヘンかもだけど、これも結構売れ筋だよ?ナナミ、面白そうだから買っちゃったのっ!

ナナミはまた別のボタンを押した。ギロチンの刃は無情に落ち、侵蝕体の玩具の首もまたすごい勢いで飛んでいった

無言で飛んだ首を見届けてから、ナナミはくるりと振り返った

ダメ?

そ……そんな、ナナミが一生懸命に選んだプレゼント、全滅だよぅ

せっかく頑張って集めたのに、指揮官に気に入ってもらえなかった……

ナナミはしぼんだ風船のように力なく、小さなテーブルに突っ伏した

うん、指揮官だったら何が好きかなあって、いろいろ買ってきちゃったの

この七夕ラジオの中で、指揮官に一番のお気に入りを選んでもらって……それで……

ふふ、びっくりしちゃうよ?それ、ナナミからプレゼントしたかったの。指揮官にサプライズしようと思ったんだ~

ナナミは存在しない「ラジオ」のリスナーに向かって助けを求めた

リスナーのみんな~、ナナミのプレゼント、全部ボツなんだけどぉ~っ!

えっ!?ほんとに!?ほんとにほんとに!?

てことは、指揮官は異合生物サンドバッグと侵蝕体ギロチンをもらってくれるの!?

じゃあ、この空中庭園ビッグコマは?あ、そうだ、血清コーラもあったっ!

へへへ、世界で一番ナナミに優しいのは、指揮官だって思ってた

引き出しが空になり、プレゼント攻撃が終わる頃には、目の前にプレゼントの山ができていた。ナナミはテーブルの上にちょこんと立ってドヤ顔を決めている

さぁ!いよいよ、ナナミからの最後のプレゼント。指揮官、ちゃんとキャッチしてね!

その後、ナナミがテーブルの上から勢いよくジャンプしてきた。その衝撃で、ふたり揃ってプレゼントの山にダイブする格好になった

はいっ、最後のプレゼント!「幸せの海で泳ごう」ってタイトルなの。どう?いいタイトルでしょ?

このアイデアにかなり満足しているのか、ナナミはプレゼントの山の上をぴょんぴょん跳ねている

不安定に積み上げられたプレゼントの山が、ガタガタと音を立てて崩れ始めた

プレゼントの山に埋もれる直前、最後に見えたのは大量の「異合生物ダミー内臓」が宙に舞う光景——あのサンドバッグ、ひとつだけじゃなかったのか……

し、死んじゃう……!

久々に、最初に出会った頃、ナナミがよく口にしていた言葉を聞いた

七夕ラジオ——終