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All of the stories in Punishing: Gray Raven, for your reading pleasure. Will contain all the stories that can be found in the archive in-game, together with all affection stories.
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ブリギット 奏でる恋音

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夜になると、コンステリア郊外の保全エリアは平穏に包まれる。日中の慌ただしさはなくなり、安心感を与えてくれる照明だけが灯っている

ブリギットの任務がまだ終わっていないので、自分は彼女が戦場から帰ってくるのを待つためにここに来た

轟音とともに輸送機が近くの滑走路に入ってくる。本日最後のフライトだった

開いたキャビンに見慣れた人物が現れた

指揮官!本当にごめんなさい、こんな遅くなっちゃって……

やっと終わったわ!

支援部隊の助けが必要な仕事はある?遠慮なく、なんでも言ってね!

任務以外にも大事なことはあるわ!

彼女は少し照れていたが、興奮を隠しきれない様子だった

乗組員

これが最後の貨物リストです

いくつかの木箱を貨物室からヤードに運んだあと、乗務員はブリギットに端末を手渡した

うん、問題ないわね

私を待たなくていいから。明日の朝も任務でしょ?もう戻っていいわよ

乗組員

承知しました

簡単な敬礼をして乗務員はキャビンに戻り、離陸の準備を始めた

お待たせ、指揮官!行こっか!

エンジンが機体を持ち上げるのを見届けたあと、彼女はようやく仕事モードを解き、待ちきれないというように隣に駆け寄ってきた

[player name]、今日は支援部隊の仕事で忙しくて、一緒にお祭りに行けなくてちょっと残念だけど

ふぅ……寒っ!早くテントで暖まりましょ?

彼女が優しく差し出した手を握り、並んで居住区の方へ歩いた

さっき、パトロールしてたって言ったわよね?つまり、お腹も減ってるってことでしょ?

指揮官が好きなインスタント料理を用意しておいたわ!

彼女は背後から戦場用の配給パッケージを取り出した。いつもならあるはずの汚れやヨレもなく、まっさらだった

保全エリアに到着する前、戦場で会った全員が欲していたのは温かい食事だったからね

さあ、開けて!早く食べましょ!

ブリギットはいつものように明るい笑顔を見せた

そして水と生石灰が混ざった加熱パックを取り出し、軽く振ってから袋の中に戻して、袋の口を閉じた

あっ、この缶切りって……起動日に私が[player name]にプレゼントしたやつ?

指摘されなかったら、この便利な小さな贈り物が必需品のひとつになっていることに自分でも気付かなかっただろう

何よ、そんな改まっちゃって!

こんな時代遅れのものは、ただの記念品にしかならないと思ってたけど……まさか[player name]の役に立ってるなんて

それにしても本当に残念よね。[player name]も私もいつも自分の仕事があって、今日はせっかくのデートなのにこんなに遅くなっちゃって……

でも、忙しい合間を縫って一緒にいてくれるなんて、すっごく嬉しい!

しっかりとした合成素材の包みから、グツグツという音が聞こえなくなった。包みを開けると、濃厚な蒸気とともに香りが漂ってきた

余分な熱源のせいで、ふたりの額には汗が浮かんでいた

今まで気付かなかったけど、テントの中は結構暑いわね

彼女は驚きの声を上げながら、袋から立ち上る熱気を扇ぎつつ、食料をひとつひとつ取り出した

ううん。外はかなり冷え込んでるから、これくらい暖かい方がいいわ

寝る時は、寝袋の暖房機能を使わなくてもよさそうね!

別に心配する必要はないわ

遅くなっちゃった埋め合わせとして、[player name]には今日ここで一緒にゆっくり過ごしてもらうから

彼女は爽やかな笑みを浮かべ、全ての料理を皿に並べた

さあ、特製の軍用夜食を召し上がれ!

ふたりは同時に温かい料理を口に運んだ

戦闘の合間に腹を満たすために食べるエネルギーバーと比べると、この豊かな味わいの食べ物は、実に贅沢な食事だ

熱いから気をつけて、ゆっくり食べてね

お腹がいっぱいになれば、ぐっすり眠れるわ