Story Reader / イベントシナリオ / 奏でる恋音 / Story

All of the stories in Punishing: Gray Raven, for your reading pleasure. Will contain all the stories that can be found in the archive in-game, together with all affection stories.
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リー 奏でる恋音

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……欲しいものというのは、これのことですか?

リーはショーケースに置かれた派手で奇抜なノートを指差し、口元を少し歪めた

サンプルの装飾が足りませんか?他にもたくさんありますので、お選びいただけますよ

いえ、これで十分です

更に大袈裟な装飾のノートが出てくることを懸念し、リーは即座に店員の説明を遮った

要するにノートを交換して、相手が書いた物語の続きを自分が書いて、最後に皆の前で読み上げればいいんですね?

いらないというわけではありませんが、ただ――

彼は何かを言いかけてやめた

それがあなたの望みなら、手伝うしかありませんね

……言っておきますが、あなたが無茶しないように見張るためですから

……その辺にしておいてください

行きましょう

店員の指示に従って別々に座り、それぞれのノートに物語の前半を書いた。そして店員にノートを交換してもらい、続きを完成させる。途中で会話することはなかった

時々リーに目をやると、眉をひそめ、少し考えてから再び書き始めていた――彼を困らせてしまったのだろうか?

時間が経ち、ふたつの物語が完成した。店員がファイナルステージ用の録画機材を設置し始め、「少しの間、リラックスして待っていてください」と言った

いえ、至らないところがないか気になっただけです

文章を書くのは……僕の得意分野ではないので

そんなことはありえません

ふたりで話している間に店員は準備を終わらせ、ファイナルステージを始められると合図してきた

自分のノートが戻ってきたら、参加者は自分が書いた前半と相手が書いた後半を繋げて読み上げる――そこで初めて成功となる

僕からいきましょう

「装備の細部を改良するために、リーは慎重に検討し、改造に必要なパーツを買いに行くことにした」

「必要なパーツのリストに沿ってルートを計画していた。しかし、当日になってみるとリストが変更されており、記載されている品物が大きく変わっていた」

「幸いなことに、新しいリストにもルートが記されていたため、それに従って買い物を終わらせた。最終的に持ち帰ったのは――」

リーは自分で書いた前半部分を滑らかに読み終えた。しかし、後半部分に入ろうとしたところで一瞬沈黙があった

「……最終的に持ち帰ったのは、商店街で一番人気のパン屋の看板商品、2時間並ばないと買えない有名なコーヒー、特売のお菓子セット、そして九龍飯店の名物料理だった」

「リーは、パーツリストと指揮官の買い物リストを取り違えたことに気付いた。歩行鍛錬を手伝ってくれた指揮官へのお礼に、買ってきたものを指揮官にあげることにした」

……以上です

リーは目を閉じて、しばらく黙っていた。どう理解すればいいのかわからないようだ。小さくため息をついたあと、諦めたような声を出した

……まぁ、あなたが気に入っているなら何も言いません

まずい。どうにかして早く雰囲気を和ませないと

[player name]

「ある日、[player name]は古代のオイルランプを手に入れた」

「オイルランプから小人が現れ、言うことを聞けば3つの願いを叶えると言った」

「[player name]は小人を信用していなかったが、小人が自分しか知らない秘密をペラペラと話し出したので、事態は一気に不可解なものとなった」

「[player name]は戸惑い、リーに助けを求めた。そして、彼らは――」

......

どうしました?

[player name]

「彼らはオイルランプを分解して詳しく調べ、中に仕掛けられた盗聴器とカメラを見つけた」

「案の定、これらは全て敵が状況を探るためのまやかしだった」

「そこでリーは小人を捕まえて分解し、逆探知して敵の座標を見つけ出し、最終的に敵を一網打尽にした」

「こうして[player name]は危機を脱したのだった」

これを聞いた店員や見物人たちは笑いをこらえられなかったらしく、クスクスと笑い声が聞こえた

何がおかしいんですか?こうした方が合理的でしょう?

あなたの安全に関わることですから、些細なミスも許されません

はぁ……?

いずれにせよ、ルールで定められた要件は満たした。店員は装飾が施された2冊のノートを手渡しながら「挑戦クリアです!記念品をお持ち帰りください!」と言った

たまにはこういうイベントを体験するのも……悪くないですね

帰り道――リーと並んで歩いていると、彼は2冊の記念ノートをめくって何度も読み返した

あなたに関係することであれば、どんなことも退屈ではありません

最初は少し戸惑いましたが、今は少し気に入りました

独特の形式ですが、こうすることでお互いの心の内を知れるので……

あなたさえよければ、これからもこのゲームを続けてもいいかもしれません

例えば1週間ごとにノートを交換して、言いたいことを全部書いて、次に会った時にお互いに読み合うとか

……未来に楽しみができれば、待っている時間も楽しくなるでしょう