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通常作戦Ⅴ

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未設定マップ05

サーバー時間 11:12

座標 64.22#09.56

いくつかのステージを突破し、ボスを倒したあと、無事に廃墟マップでリーフと合流した

リンクポッドに横たわったあと、私も皆さんと同じように、もうひとりのレオニーさんの説明に従って「衛生兵」の職業を選びました

でも、システムから武器が支給される途中で天井から轟音が響き、空間が揺れ始めて……モンスターが突入してきたんです

その衝撃の後のことは覚えていません……

キャラ作成段階で無敵状態にするべきだったわね、本当にごめん

とにかく私が気付いた時には、すでにこのマップにいました。そして、指揮官と通信できなくなっていたんです

レオニーさんがゲームキャラに異常が発生しているかもしれないと仰っていたので、私は誰とも接触せず、ただ地面に落ちている武器を拾いながらここまで来ました

リーフが背中の弓をこちらに見せた

それは、空中庭園の標準装備を思い起こさせる弓だった。この場にいる全員が見慣れているものだ

弓は訓練でしか使ったことがないので、うまく使えるかどうかわかりませんが……

ここに来る途中、何か気になったことはありますか?

どんなに細かいことでも教えてください

そういえば……とても危険なモンスターを見ました

そのモンスターが正常なゲームキャラを襲っていたんです。最高レベルのNPCでも、そのモンスターに触れられた瞬間に防御が無視され、HPが0になっていました

そのモンスターの頭の上には赤いマークがありました。遭遇しないように行動した方がいいと思います

おっと……それは私が「チャレンジモード」に配置したモンスターね。外に出てきちゃったか……

「高危険度モンスター」がそれほど危険なら……逆にそれを利用して、私たちを襲う異常なモンスターと戦わせるという手もありますね

僕もそれを考えましたが、色々と調べた結果、それは不可能なようです

偵察兵の装いで、迷彩服を着たリーが森の反対側から現れた

ひとりになってから、皆の行方を探しつつ異常なモンスターのデータを調べていました。そこで、ある結論にたどり着いたんです

リーは腕の装甲からホログラム画面を投影した。現実での超刻機体に、このような機能は存在しない。これはリーが職業選択の時に追加した装備だろう

このゲームのキャラクターたちは、何らかのバグに侵されています。暫定的にそのバグを「破壊データ」と名付けました

破壊データはゲーム基盤のソースコードから生まれたもので、現時点では発生原因は不明です

その行動目的はただひとつ。外部データを吸収して、自身の成長と進化を図ること

現時点では、これはゲームエンジンに内蔵した「AI思考」と関係していると推測しています

「AI思考」と関係してるって……まさか、人工知能が自我を持ったってこと?

いやいや……黄金時代のSF映画じゃあるまいし、それはさすがに考えすぎね

破壊データの表層的な特徴を私にも送ってもらえる?

すでにバックログに送信しました

破壊データに侵されたNPCやモンスターは、プログラムされた行動パターンを破り、強制的にプレイヤーを攻撃します

現在、破壊データはファイアウォールを突破して、コア機能領域に侵入し、強制ログアウト機能を侵しました。このバグを排除しない限り、このゲームから脱出できないでしょう

もちろん、レオニーがサーバーを強制シャットダウンすれば強制的に脱出させることができますが、そうなると指揮官の意識海に莫大な負担がかかる恐れがあります

現段階では、まず慎重に行動してゲーム世界から「破壊データ」を排除する方法を探るべきかと

一気に説明を終えたリーは、ホログラム画面をこちらの前に移動させた

現時点で得られた情報は以上です。他に何か質問はありますか?

わかりません。恐らく誰にもわからないかと

それはあまり重要なことではありませんが……このゲームのマップは複雑に設計されているので、指示通りのルートではなく、強引な方法でここまで来ました

レンジャーです

リーは簡潔な言葉で返した。職業を選んだ理由について触れてほしくないようだ

とにかく、このゲームは問題が多すぎます。例えば至るところにある透明な壁、不合理な戦闘力インフレ、不明確なルート案内……

更に「破壊データ」という予測不能な要素を加えると、もともと想定されたルートでクリアするのは不可能に近いでしょう

返す言葉もないわ。時間がなかったのは事実だけど、全て私の設計ミスね

私に考えがあります

クエスト中はずっと寡黙だったイシュマエルが提案を口にした

ルシアの話によると、今まで遭遇したモンスターはどれも地上の侵蝕体と似ている……そうですよね?

はい。恐らくモンスターは前線作戦の資料とデータに基づいて再現されているのだと思います

モンスターは独特な行動パターンをとっていました。単なるモンスターなら、ここまで細かく作り込む必要はないはずです

その通り。「AI思考」で前線の兵士たちが持ち帰った作戦記録を分析して、できるだけ現実に近いモンスターを再現したの

でも、それが「破壊データ」と関係ある?

もし、これらのモンスターが作戦記録をもとに再現されているのなら、この世界には昇格者のデータも含まれているはずです

……まさか、彼女たちと交渉しようというのですか?

最も実現可能な方法だと思います

どこに隠れているかわからないモンスターを警戒しながら手探りでゲームを続けるより、交渉可能な敵と手を組んだ方が話が早いのではないでしょうか

それに皆さんは、これまでにも昇格者たちと協力したことがあるでしょう?

イシュマエルは微笑みを浮かべながらこちらを見つめた。その瞳に非難の色はまったく見えなかったが、見透かされているような圧迫感を覚えた

……あった。確かに「α」というデータファイルがあるわ

ただ、このαは作戦記録に沿って再現した模擬人格よ。私たちに協力する保証はない

私が説得してみます

それにやむを得ず戦闘になったとしても、負けない自信があります

では、αと最も関係の深いマップに向かいましょう。「AI思考」が正常に機能しているなら、彼女は最も馴染みのある場所に向かうはず

指揮官も同じことを考えているようですね

ルシアと同時に頷き合い、ナビゲーションメニューを起動した

世界地図の端で、誰もがよく知る名称が点滅していた

<size=50>特殊マップ07 ウィンターキャッスル</size>

<size=50>座標 11.00#00.10</size>