Story Reader / イベントシナリオ / カササギの祈り / Story

All of the stories in Punishing: Gray Raven, for your reading pleasure. Will contain all the stories that can be found in the archive in-game, together with all affection stories.
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アイラ·万華 カササギの祈り

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コンステリアの水上遊園地

指揮官、準備はいい?これが最後のステージよ~

平均台、フロートボール……後ろにあるステージは全てクリアした。今、足下には大きなプールの上に高く吊るされた橋がかかっている

スタッフA

今日のチャレンジャーは、おふたりともやる気満々ですね!

スタッフB

次に求められるのは距離の予測、助走、ジャンプ!どれも難易度が高いですよ……

さぁ、このコースの最終チャレンジです!

アイラは助走の体勢をとったが、じっと動かない。自分を待っているようだ

アイラはウインクでOKサインを出した

エクセレント!さぁ、レッツゴー!

しかし少し引っかかる――前方にあるのはただの吊り橋に見えるが、ジャンプの難易度が高いとは、どういう意味なのだろう?

うわっ!すごく滑るじゃない!こんなのどうやって走ればいいのよ!

彼女は一歩踏み出して、すぐにバランスを崩しそうになった

軽く走ってみたが、こちらも同じだった。橋の表面が濡れたようにつるつるしている

想像以上の難易度だわ。でも、それでこそ、やり甲斐があるってもんよね!

彼女は一直線にゴールを見据えていた。その瞳は興奮の光を放っている

まるで魔法のように、それほど離れていない橋の中央が音を立てて折り畳まれ、両端の助走台だけが残された

ほらね、思った通り!向こうのゴールがある台に飛べってことね!

指揮官、私の手を握って!

成功したら、アイスクリームをおごってね!

いち、に、さん、せーの――

ふたりは息を合わせて声を上げ、ゴールに向けて飛び上がった

固く握った手が宙に舞い、つま先がゴールラインを捉えた

その時、足下がつるんと滑った

[player name]!

重心が後ろに傾く。間髪入れずに、柔らかい体が寄り添ってきた

彼女はすぐに離れそうになった手を握り直して、しっかりと指を絡め、一瞬たりとも離さなかった

どぼーん!

目がくらんだ。空気は日差しで焼けつくように熱く、灼熱の風が耳を焦がすように吹き抜けていく

そして、水飛沫とともに水の冷たさが全身を包んだ

スタッフA

残念――史上最強のつるつるフロアを前に、おふたりとも敗退……

アイラと一緒に水面に浮かび、顔を出した途端、スタッフからがっかりした様子のアナウンスが聞こえてきた

彼はマイクに向かってしゃべりながら、スイッチを押してプールの底から浮き輪を放出し、チャレンジャーを岸に戻した

え?すっごい漫画っぽくていいじゃない!

それに、今日のチャレンジは大成功だったわ!

だってこの橋、指揮官と私のカササギ橋かもしれないじゃない?

指揮官にはわからない?今日はアルタイルとベガが再会する日でしょ?

ほら、指揮官と一緒に渡ろうとした時、ちょうど真ん中が欠けてたじゃない?

不完全さは時に美しさを生むけど――

今日言いたいのはそんな芸術的な観点じゃないわ

ひとりで壊れたカササギ橋を飛び越えたら、祝福が台無しになっちゃう……そう思わない?

アイラらしい突飛な発言だが、彼女の言いたいことはわかる気がする

大丈夫よ!この塗装は特別仕様だから

そう言いながらも、彼女は服の裾を持ち上げ、両手で軽く絞った

水滴がプールに落ちる音とともに、アイラは呼吸を整えた

[player name]、さっきの失敗気にしてる?

まぁそう落ち込まないで。今日は特別な日なんだもの、私から[player name]に世界でたったひとつのご褒美をあげる!

何の話か理解できていない内に、彼女は笑顔で近付いてきて、自分の腰に腕を回した

特有の香りが、彼女の柔らかな髪とともにこの瞬間をふんわりと包み込んだ

ちょっと休憩してから、もう一度……一緒にチャレンジしよ、[player name]