Story Reader / イベントシナリオ / 蒲牢の大冒険 / Story

All of the stories in Punishing: Gray Raven, for your reading pleasure. Will contain all the stories that can be found in the archive in-game, together with all affection stories.
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蒲牢の仙道記

任務達成、本体験は無事終了しました。またのご利用をお待ちしております――

機械のアナウンスが鳴り始めると、白い光が次第に強くなっていく。周囲の全てがゆっくりと消えていき、やがて最初の部屋に戻った

私たちの勝ち――って……あれれ?

な……何が起きたんです?どうして現実に戻ってるの?

椅子に座り、隙間に挟まっていた小冊子を手に持って蒲牢に振ってみせた

おしまいって……どういう意味ですか?あと、それは一体?

蒲牢は困惑しつつ、こちらに近付いてきて小冊子を受け取った

「座るだけで起動し、プログラムされた仮想世界を体験できる、九龍の最新バーチャル·リアリティ体験装置――」

え……じゃあ、さっきのは小説の世界に転生したんじゃなくて、この装置でシミュレートされたただVRってこと……ですか?

蒲牢は口をぎゅっと尖らせ、みるみるうちに落ち込んでいく

はい――――

蒲牢は眉をひそめつつ、渋々といった様子で口元を緩めた

そう、ですね……

まだ少し納得がいかない風情の少女に対して、先ほど見たシーンを思い出しながら、いくつか大袈裟に真似てみせた

えへへ……

照れくさそうに頭をかいた蒲牢は、いつもの笑顔に戻っていた

実は……絶対に偉大な仙人になりたいって訳じゃなくて――大切な人を守れるなら、仙人でも構造体でもどっちでもよかったんです

本に出てくる偉大な仙人たちはみんな、魔法みたいな力を持ってます。指を少し動かすだけで敵の攻撃衝動をなくさせたり……そういうのが、少し羨ましかっただけで

……うん!そうです、指揮官が仰る通りですよね!私は九龍の蒲牢!

夢でも現実でも、私はずっと努力し続けますから!

九龍の諺にも、「鉄の杵で針を磨き、水滴が石を穿つ」とあります

待っててください。いつの日か必ず伝説の「蒲牢仙人」が、再び現実世界に現れます!

机の上に置かれていた仙侠小説が風に吹かれ、ページが数回揺れた。何度か「もがいた」あと、ページは本の最後、著者後書きの箇所で止まった

「九龍人は皆きっと、心の中にひとつの仙侠の夢を隠し持っている」

「この本を愛してくれる全ての読者に、人々を救う心と、四海に平和をもたらす理想の世界が残ることを願う」