Story Reader / イベントシナリオ / スターライトコンボ / Story

All of the stories in Punishing: Gray Raven, for your reading pleasure. Will contain all the stories that can be found in the archive in-game, together with all affection stories.
<

ルナ スターライトコンボ

>

ここであなたに会うなんて、思ってもみなかったわ

ルナは目を細めながら薔薇園の奥の小道を見つめ、少し眉をひそめた

たったひとりで昇格者に挑むの?

あなたがどう思ってるのかわからないけれど……グレイレイヴン指揮官、そう呼ばせてもらうわ

前回、私と意識を繋いだあと、何が起こったか覚えている?

教訓を学ばないってこと。いつもそうね、常識外の行動ばかり……

たとえ自分を不利な状況に追い込んだとしても、悔い改めるつもりはないのね

説明してくれない?今、私の目の前に現れた理由を

七夕?

そんなつまらない理由?

まあいいわ、去年も同じような言い訳を使っていたわよね

昇格者の位置を追跡できるなんて、確かに立派な能力だけれど

今日は、私が自分の信号を隠していなかったの。勘違いしないで、ただここへ散歩に来ただけ

コンステリアは興味深いところだわ。ここでは、面白いことがたくさん起きた……

ところで、あなたと一緒にいるルシアは最近どう?別に気にしている訳じゃなくて、一応礼儀として

そう。彼女はあなたの側にいるのがいいのかもね

ルナは振り返ると、地面に落ちて泥がついていた紫陽花を拾い上げ、そっと花びらをなでた

綺麗な花

夜のような色をして、まだ温もりが残る泥の中に孤独に落ちている

人間の指揮官、紫陽花の花言葉を知ってる?

青い紫陽花の花言葉は、無情

白い紫陽花の花言葉は、一途な愛情

そして紫の紫陽花には、辛抱強い愛情という花言葉もあるの

私たちは、思い出すに値しない過去を経験してきた。だからこそ、前を向いて進まなきゃいけない

去年の七夕、あなたは砂時計をくれたわね

覚えてる?片方の砂が全部落ちると、星が見えるようになっていたのを

時間は多くのもの奪っていくけれど、時に新しい希望を育む

私は過去の経験から、人間は救いようのない存在だと思っていたわ

あなたに出会うまで……この世界の未来について、何かを考えようなんて思わなかった

もっと早くあなたに出会っていたら、私の身に起きた出来事も多少は違っていたかしら

ルナは自嘲するような笑みを見せた

今となっては……

私たちは立場が違う。これ以上言っても意味がないわね

でも、お礼として……

ルナは月のペンダントをこちらに差し出してきた

特別な意味なんてないの。ただ礼儀よ

気に入らないならルシアにあげて。でも、自分で持っておく方がいいかもね

あくまで、提案だけれど……

もう時間も遅いわ。人間のあなたは休息が必要な時間でしょう

知らず識らずの内に、あなたに本音をたくさん話してしまったわ。私も変わったわね

今夜のことは、ふたりだけの秘密に

朝日が昇ればあなたは人類側の指揮官よ。私もこんなふうにあなたと気軽に話すこともない

これからは私の位置も追跡できなくなる。でも、どうしても会いたくなったら……

月を見上げて。私たちは、同じ月明かりの下にいるかもしれないから

また会えるのを楽しみにしているわ、グレイレイヴン指揮官。たとえそれが、戦場であっても

そう言うと、ルナはガーデン広場の奥へと消えていった……