魔王……
来たか……聖女よ、そしてその他の勇者たち
ずいぶん雑にまとめてくれるわね
セリカの外観をした魔王が目の前に立っていた。頭だけ振り返った魔王は、まるで友人を迎え入れるかのような挨拶をする
どうして私たちと戦いたいのか教えてくれませんか?
魔王が勇者に打ち負かされるのが、ゲーム世界の平和の条件だからだ
まったくもって十分ではない。あれはただのバグだ。平和の条件には入っていない
仮にわしがここで手を止めたとて、第2第3の国王が生まれるだけ……
このゲームの世界はもともと、外来の勇者が魔王に勝つことで平和が訪れるというように設定されておる
かつての勇者がミッションをクリアすることなく早々にゲームを止めてしまったことで、この世界の均衡が崩れた
わしはもう二度と他者を傷つけたくないと願い、その結果システム内で少しずつエラーが蓄積された。そうして、わしの代わりに生まれたのがあの国王よ
つまり、あの国王が悪人になったのは、お前が原因ってことか?
そうだ。ゆえにわしは自ら行動し、なんとしてでも国王の計画を阻止したかったのだ
とにかく、わしを徹底的に消滅させない限り、必ずや次の国王が生まれ、このゲームの結末は永遠に訪れん
……あなたを、滅ぼすしかないんですね、魔王
そういうことだ、聖女
それが、別れの挨拶のようなものだった。魔王は暗闇で自身を覆い隠し、その暗闇から異形のモンスターがはい出てくる
――それこそが、魔王の真の姿だった
さあ、この世界を救うが良い、勇者たちよ!!!!