カレニーナ!お前のHP、大丈夫なのか!?
は、何か問題があるのか?
トラップの矢を浴びたい放題に浴びるカレニーナと、それをオロオロ見つめるカムイ
いや、トラップを踏みすぎだろ、そうもブッ続けで……おい!気をつけろよ、カレニーナ!
カムイはとっさにカレニーナを引っ張ろうとしたが、間に合わなかった。カムイが話し終わらないうちに、また新たなトラップが作動した
床が開き、中から細長い火炎が噴き出す。何条もの炎がカレニーナの体を焼き、ただでさえ少ないカレニーナのHPがまた下がった
そこでカレニーナはおもむろに回復薬を取り出すと、自分の体に振りかけた
間違いない。これはカムが自らのゲーム経験から修得し、ヴィラとカレニーナに伝承したあまりよろしくないプレイ方法だ
なるほど……この種のゲームはそうやってプレイするんですね……
待て待て!違うって!それは邪道なんだって!多分カムが教えたんだろうけど!!
大事なことだから2回言うけど!邪道です!!!!
俺はこんな風にしたことないぞ!?その時はちょっと下手だったのかもだけど、プレイスキルでトラップに対処すんのがゲームの醍醐味でしょーが!!
知恵と操作テクでトラップを乗り越えるんだよ!!!
簡単に言うと、トラップの場所を察知するとか、作動したトラップを回避するとか、そういうことですね?
そうそう!
ふむ、それはそれで面白そうですが……。ただ、常日頃の行動を見る限り、カムイに本当にそれができるのか、僕には疑問です
おい、お前ら、何をぐずぐずしてやがる。さっさと来いよ!
カレニーナはすでに、回復薬戦法によってトラップエリアを抜けていた。こちらを見て鼻白んでいる
ふん。俺だって余裕だっつうの!見とけよ!
その直後、カムイが触れた仕掛けが作動し、付近の出入り口がことごとく閉まってしまった
えっ、なに!?どうなっちゃったの!?
瞬殺でしたね……
ふむ。トラップを無視して回復薬を飲み続ける、というカムのプレイスタイルは必然的に生まれたんですね。よく理解できました
つまり、カムイにはトラップを察知及び回避する能力が皆無、ということである