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All of the stories in Punishing: Gray Raven, for your reading pleasure. Will contain all the stories that can be found in the archive in-game, together with all affection stories.
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伝説の執行者‐4

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ハセンは嘘をついている

なんでそう思う?

……経験だ。カムイが遊んでいたゲームにも、似たような状況があった

一見善良で無害な国王というのは、大概がラスボスだったりするんだ

具体的で何が悪い。考える手間が省けただろう?

よく覚えておけ。ここはゲームの世界であって、あれは本物のハセンではない

ゲームの説明を聞いてるうちに、セリカの性格を把握できた。国王をハセンに設定したのは、おそらく「善人」だと思わせたかったからだろう

ミスリードってやつだな。なら、あのハセンは黒だ。ということは、魔族の方は白なのか……?

確かにそうね、指揮官

優れた支配者が必ずしも慈悲深いとは限らないけれど、他者に対する威厳は保たなければならない。あのハセンは、そうじゃなかったわ

オレたちが無礼を言っても笑ってたのは、確かに気色が悪かった

で。それなら、どうして直接ハセンに仕掛けなかったの?ハセンが黒というなら、さっさとやってしまえばよかったのでなくて?

……アイツにはHPゲージがなかった

HPゲージ……なんだそれは?

普通、敵と戦う時はシステム上で相手のHP状態を確認できる。だが、ハセンのNPCのHPは確認できなかった

つまり、ヤツは俺たちが攻撃できない敵だ

……ここはゲームの世界だからな。仮に俺たちが攻撃できたとしても、HPゲージがないなら、それは“殺せない”ということだ

……そんな敵、どうすりゃいいんだよ

方法はいくつかあるが、とどのつまりはゲーム設定次第だ。俺たちにはどうすることもできない

なんだかスッキリしないわね……まあでも今は魔族と、それからリーフの身の安全のことに集中しましょう

そうだな。まあよっぽど想定外の展開にならなければ、ラスボスはハセンで決まりだろうしな

本当に……何の面白みもないストーリーね

ゲームについてああでもないこうでもないと分析する3人の様子は、さながら悪党の談合だ。ゲーム設定やらストーリー展開やらをやり玉にあげ、まるで意地の悪い評論家のよう

せっかく皆でプレイしているゲームなのに、お陰で夢も希望もワクワク感も何もかも萎れてしまったではないか

ギギィ!!!!

ゲーム進行上、あそこの敵との戦闘は必須のようね。グレイレイヴン指揮官、いよいよあなたの出番ね。誰も死なせずにクリアできるかしら?

……確かに、ここでの戦闘に意識海の安定は関係ないわね。では、あなたは安全な場所に避難してらっしゃい

今のHPでクリアすんのか……ゲームの中で死んじまったら、一体どうなるんだ?