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焼却

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お前たちの次の任務は、被占領都市の焼却だ

師匠!師匠じゃんか!

変わらず任務を遂行し続けていたカムたちの前に現れたのは、マオだ。移動基地の大画面越しに、任務指示を読み上げている

相変わらず騒がしいな……人前で俺のことを師匠と呼ばないように

はい!師匠!

カムは師匠との再会を素直に喜んでいる

すみません、質問いいですか?

言え

なぜ焼却するんですか?奪還は難しくても、焼き落とすことはないんじゃないんですか?

焼却する理由は、そこが侵蝕体の「生産工場」だからだ

多くの侵蝕体は獣のように本能に従って行動するだけだが、偶然にも何らかの工場がパニシングに侵蝕されることがある

侵蝕された工場は、侵蝕体の生産ラインとして生まれ変わり、新たな侵蝕体を生産し続けるのだ

マオの回答はそういう意味だ。生産ラインを破壊すれば、侵蝕体の増加を抑えられる。それに、侵蝕体が集中するほどパニシング濃度が上がることは、誰もが知っている

パニシングの濃度が上がりきってしまえば、最後は浄化することもできないデッドゾーンと化す

今回の任務には、お前らの他の移動部隊も召集されている。都市焼却の装備は、現地に投下予定だ

徹底的に破壊し、塵ひとつ残すな。以上が本部からの命令だ

わかったか?

わかったけどさ、師匠はなんでまた突然出てきた?今までどうしてたんだ?

それから……あれは何なんだ?

隊員が装備の準備を始める中、カムだけがマオにさまざまな問いを投げかけ続けている

最初の質問は機密事項だ。……まあ見てわかることなら話してやろう。今の俺は構造体だ

構造体?

いちいち細かく説明してられんが……そうだな、生身の兵士よりはるかに強く、単独で侵蝕体と対抗できる存在だと考えてくれればいい

何だそれ!すげぇ強いな!俺も構造体になれるのか?

どうだろうな。それより、お前も準備を始めろ。予定時刻まであと3時間だぞ

師匠、ずいぶん冷たいな……なあ、この小隊について何か知らないか?この前俺が町に行った時……

何も問題ない。カムよ、今回の任務さえ終われば、全てが上手くいく

カムの質問を遮って、マオは答えになっていない言葉を返した

どういう意味……

この任務を上手くやれば、お前は俺を超えられるかもしれん。お前が寄越したメッセージは全部確認している。手柄を立てて、出世するんだろう?

えっ!ってことは、今度の任務が終わったらもう、外回りしなくてよくなるのか?

そう思ってもらって構わん。では、他の仕事もあるからな、そろそろ切るぞ

わかった!首を洗って待ってろよ、師匠!

——

おい、すごい数の飛行機だ

まさか、俺たちみたいな移動基地の部隊が他にもあったなんて……

準備を終えたカムたちは、指示通りに焼却予定の都市の外周に待機していた。都市の内部の侵蝕体たちは黒野の部隊を睨めつけ、その上空を航空機が旋回し続けている

――まるで、地上の部隊と侵蝕体をまとめて包囲しているかのように

地上の部隊、聞こえるか――

この識別IDは……上空の飛行機か。聞こえてます、命令は?

都市の焼却は侵蝕体を排除してから行う。上からの指示だ

ってことは、直接都市を爆撃するんですか?

旋回するだけでも燃料を食うんだ。さっさと突入して侵蝕体を殲滅してくれ。時間になったら爆撃を始める前に、撤退の合図を出す

通信は切られた。地上の部隊は血清を打ち、カムたちもそれぞれの武器を手に取った

なら、さっさと終わらせようぜ。この任務が終われば出世できるって師匠も言ってたしな

血清注射の痛みに耐えながら、カムは都市に向かって突進した