Story Reader / 幕間シナリオ / 雪嶺に捧ぐ / Story

All of the stories in Punishing: Gray Raven, for your reading pleasure. Will contain all the stories that can be found in the archive in-game, together with all affection stories.
<

我は我に非ず

神はお導きたもう。聖潔を行い、公義を行い、人を愛し、施し、敵を愛し、断食し、祈祷し、光で在り、貪らず、裁かず、偽らず、御言葉を行うべし

……愛する者

機械体にとって……愛とは何なのだろうか?……そもそも、愛は存在するのか?

データベース上のあらゆる経典を閲覧しても、答えにたどり着くことはできなかった

……そう、雪の中で赤子を、小さな人間の赤子を拾うまでは

女の子だ。寒さで皮膚は紫だったが、金色の双眸は静かに私を見つめていた

経典にいう「世に愛を伝える天使」に違いない。私のニューラルネットワークはそう結論づけた

私が彼女を育てたのだ。もともと機械体に時間の概念はないが……ともに過ごした567648000分は刹那のようだった

善良で、優しく、強くて、勇敢なビアンカ。人を愛し、信仰に満ちた――我が子

信仰が廃れ、機械が教えを説く時代にあっても、私はビアンカに真実を告げられなかった

あらゆる経典を理解し、教義を暗唱できるこの私が、我が子から教わって初めて愛というものを知ったのだ

もし私が人間だったなら……父親としての資格があったなら……

ずっと見守ることができれば……ビアンカ、我が子の……健やかな成長を

……それがかなうなら……

ミルが戻った時……私は悟った、悟ったのだ

私は人々を連れて逃げるよう、ビアンカを誘導した。ビアンカと離れ、自分自身を教会の地下室に隔離するために

十字架の鉄鎖を用い、自分の身体をきつく拘束した。力強く締めすぎて、人を模した皮膚の下に隠された真実が露わになる……

神は人を愛し、人を祝福する。「人」でない私に加護などない

それでも日夜絶えず捧げた祈りに、ご慈悲を賜われるなら……

どうか、我が子ビアンカと……数多の人の子に……

彼らは人間界に産み落とされた天使なのです……

神よ。もし私が私でなくなってしまったなら、その時は全ての裁きを受け入れます

我が子、ビアンカよ。これからも、ずっと……