お、お待ちください……
そんな……そんな……まさか……スノー……神父……?
ビ……
神父が……機械体だったなんて……
あいつ……シスターには攻撃しないな?
……あれは……
侵蝕体の貧弱なアームに、人間の腕がだらりとぶら下がっていた。まるで、うっかり引っ掛けてしまったかのように
人間の腕は、その手に短刀を握っている
……ブルースの……ナイフ……
……自分自身の安全よりもまず、民間人の安全だ。より多くの人間が生き残る可能性がある方を選ぶんだ。もし教会に民間人がいて、救助を待ち侘びていたら……
……スノー神父は仰いました。信者であろうとなかろうと、助けを求める者には応えねばならぬと……雪原に棄てられた赤子の私を拾って、神父様は育ててくださったのです……
くそっ……くそ……なぜ……
全ての罪を……ビアンカが必ず……背負います。ですが、その前に……再び罪を犯さなければなりません——
裁きを……
うっ……ああ……!!!
……
この白銀の世界では、全てが瞬く間に雪に覆われる
あの……勇敢な兵士のこと……申し訳ありません……
……お前のせいではない。お前は……お前も勇敢だった。謝るな
……喪失の悲しみに飲み込まれるな
前だけを見ろ
……ブルースの言葉だ
……死にに行くのではなく、死なせないために行く……とも言っていたな
格好つけやがって……口だけならまだしも、本当にやりやがるとは……
……くそ、こうなったら……こっちだって負けていられないじゃないか……
立てるか?まだ人々を無事に送り届けるという仕事は終わってないだろう。私も……我々の任務を遂行しなければならない
……皆が待ってる
あの勇敢な兵士に……いつまでも後れを取るわけにはいかないからな