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All of the stories in Punishing: Gray Raven, for your reading pleasure. Will contain all the stories that can be found in the archive in-game, together with all affection stories.
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永生の呪い

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災変発生後、「永遠の白昼」が訪れ、焦土の辺境は果てしない闇に包まれていた

至高の御方は枢機主神の陥落に激怒し、神罰を全ての魂に等しく下した。地獄に潜む悪魔であっても、この審判から逃れることは許されなかった

至高の御方との対決に敗れたネイシスが行方不明となり、主を失った地獄は混沌に陥った

戦争に関わらなかった悪魔の領主たちは領地に籠り、この動乱をやりすごそうとした

かつて生と死が絶え間なく交錯していたアケローン川も沈黙し

冥河へ流れ込む亡者の影は絶え、また新たな魂が浮かぶこともなくなった

全てが、終わりなき停滞へと陥った

ただひとつの孤独な魂だけがその例外だった

彼女は頑なに重い木棺を背負い

ためらうことなくアケローン川に入り

流れを渡って対岸を目指した

モリガン!あなた、ここにいるんでしょう!

彼女は果てしなく広がる水面に向かって叫んだ

返事をして、あなたの助けが必要なの!

しばしの静寂ののち、岸辺の密林の影から小さな黒い影が飛び出し、血のような天蓋の下を旋回してから、ゆっくりと岸に降り立った

小娘が何を騒いでるんだ。地獄は今や大鍋の中みたいにぐっちゃぐちゃだってのに、帰ってくるなり厄介事を増やしやがって……

ワタリガラスはぶつぶつと文句を言いながら、ネイティアの身から漂う異様な気配に気付くと、驚愕がその声に滲んだ

カァ!おいおい、人間界へ行ってどうやって領主になった?しかも、この混乱の最中に?

食べたの。ハルファスの魂を

彼女はただ淡々と事実を告げ、それ以上の説明をしようとはしなかった

それはどうでもいいの、モリガン。今日、ここへ来たのは訊きたいことがあるから

……人間を蘇らせる方法、あなたなら知ってるんじゃないかと思って

何をバカなことを……

その時、モリガンはようやくネイティアが背負っている「何か」を見た

リビングデッド……!?そいつを棺に入れて地獄へ運び、蘇らせようとしてるのか!?

正気か!生死の法則が崩壊する前でさえ、審判を無視して死者を蘇らせるなど極刑モノだったのに……

……とても大切な人なの

その表情には懇願の色が浮かんでいた。これほどまでに項垂れているネイティアは初めてだった。ハルファスの手下たちに侮蔑されていた日々でさえ、こうではなかった

私は確信してる。この人こそ、三界に再び秩序をもたらす希望そのものだと……

どうか、今回だけは何も訊かずに、私を信じて?

……

長い沈黙ののち、いつもは毒舌を絶やさぬモリガンが、珍しく言葉を和らげた

この世でそんなことをやれるやつがいるとしたら、死の王だけだろう

だが知っての通り、至高の御方との対決に敗れたあと、死の王は行方不明だ。地獄もしっちゃかめっちゃかで……

でも、あなたはまだ切り札を隠してるはず

……ったく、勘が鋭いな。昔から呆れるほど当たる

あんたみたいな同族を食らって戴冠した偽領主と違って、ワシら正統な悪魔の領主は任命される時、「死の王を守る」という使命を同時に背負うんだ

モリガンの口調は真剣そのもので、言葉の端に警告の気配が滲んでいた

ワシらは、唯一の秘法門を開く術を授けられている。その術を使えば空間を越え、一瞬で死の王のもとへ駆けつけることができる

だがな、実際にそれを使うやつはいない。なぜなら……

その先に待っているのが死の王の慈悲か、怒りか、誰にもわからないからだ

カァ……まぁ、ワシは最終決戦で敵前逃亡したからな

後悔はしてない。あのラストリアスでさえ戻ってこれなかった戦場だ。誰かが残って、この地獄の後始末をつける必要があった

モリガンはそれ以上、無数の仲間が灰となったあの戦いを語ろうとはせず、すぐに話題を戻した

あんたがどうしても死の王に会いたいって言うんなら、ワシが秘法門を開いてやる。だが……

覚悟しろ。死の王と会って、何が起きるかは誰にもわからないんだ

それに、死の王がたったひとりの人間の生死に興味を持つとは、ワシには到底思えん

構わない。あの方が断れない条件を差し出せばいいだけよ

モリガン……秘法門を開いて

カァーア、そう来ると思ったよ。覚悟ができてるなら止めはしない

モリガンは重いため息を吐き、空へ舞い上がった。漆黒の翼が広がって血の天穹を裂き、炎と熱波を吐く裂け目を作った

行け、そして思い知るがいい。この地獄の先に、更に深い闇があることを

ネイティアは棺を背に、盛る炎の裂け目へと足を踏み入れた。瞬く間に、彼女の姿は更に深遠なる幽冥へと呑み込まれていった

彼女がたどり着いたのは、果ての見えぬ万魔殿。その階段は底知れぬ地の奥へと沈みながらも、解脱の彼方へ導くように見えた

ネイティアは無数の鏡の中に自分の姿を見た。どの鏡の中の彼女も、行き場のない迷いを宿していた

なかなかの「手土産」ではないか、ハハハ……新たな悪魔の領主よ、お前の願いはすでに聞き届けた

冥界唯一の君主であるネイシスが、長い階段の果てに姿を現し、ゆっくりと降りてくる。しかし、その姿はどの鏡にも映らず、ただネイティアの視界にだけ存在していた

至高の御方から逃げるため、ネイシスは魂をこの無限回廊に隠した。ここにある全ての鏡が分身であり、束縛を破るその日を待っていた

以前、お前にグレイレイヴンを殺せと命じた。そして、お前がいきなり人間界で姿を消したことを、我は咎めなかった

その使命をハルファスに与えたが、無益な感情に溺れたお前は、復讐とやらのためにかの魂を喰った……お前の行いは、もはや地獄への裏切りだ

だが、お前はまだ己の魂のあり方すら知らぬ未熟者だ。我は憐れみから最後の機会として、謁見を許したのだ

さて、ネイティア。今となって、何を代価として差し出すつもりか?

我が君……あの時、ネイティアめがハルファスの魂を喰ったのは、追い詰められていたからで……!

モリガンの必死の弁解は何の効果もなかった。ネイシスは眉を僅かに動かし、軽く手を振ると、モリガンを鏡の中に閉じ込めてしまった

――?

ワタリガラスは一瞬にして鏡に「はめ込まれ」、その叫びは二度と外に響くことはなかった

……私は王の鎌となり、この世の命を刈り取り続け、「苦難」をばらまき続けます

そうして集う魂は、あなたの「復讐」の礎となり、「復活」の階段となるでしょう

ネイティアは棺を背にしたまま、1歩進み出て膝を折り、深く頭を垂れた

今や枢機主神は墜ち、聖堂の犬どもは瓦解し、地獄の悪魔は死屍累々……ハルファスの使命を継ぐには、私が最もふさわしいかと

死の王よ、この身をあなたに捧げます。あなたの御心のままに

そこまでして、その人間を救いたいのか……ネイティア、わかっているのか?人の命はせいぜい数十年。しかし、お前の先にあるのは永劫の苦刑だ

ネイシスは首を僅かに振った。その声音には、ほんのひと滴の嘆きが滲んでいた

まあいい。結局我らが三大法則を覆す理由をお前は理解できないようだな。だが、願いを叶えてやろう

ただし、もはや逃げ道は与えぬ。使命からも、罪からも

……あの騒がしいカラスがお前をここへ導いた。ならば、お前を監視する任を背負わせよう

死の王は背を向け、静かにある鏡の中へと入った。そしてその姿は幾千の反射の中へと溶け込み、やがて消えてしまった

モリガン、お前の「記憶」を取り上げた。今日からお前は我の「眼」となり、彼女の傍にあれ

そしてネイティア、我はお前に「死告のワタリガラス」の名を授けよう。これからは我が意を実行し、三界に終わりなき災厄をばらまき、我の復活の礎を築け

アケローン川へ行くがいい。代償は受け取った。お前の願いはまもなく成就する

ネイティアは棺を背負い、記憶を失ったモリガンを腕に抱きながら、荒れ狂う長き川の岸辺に戻ってきた

ここに至るまでに、彼女はあまりに多くのものを犠牲にし、あまりに多くを捧げてきた。もはや後戻りすることはできない

彼女は眠っているモリガンをそっと地面に横たえ、棺の蓋を開けると、目を閉じたままの人間を抱き上げた

グレイレイヴン……ごめんなさい、私はあなたと一緒に行けない。私はここに留まらねばならない

ネイティアは自らの手の平を裂き、1滴の血をその人間の胸の空洞へと垂らした

血の契約の力が即座に発動し、新たな肉が芽吹くように心臓を形作った。それは、今ネイティアの胸に宿る鼓動そのものだった

どうか私のわがままを許して。あなたに、あまりにも重い運命を背負わせてしまうことを……

人間の体はゆっくりと温かい川に沈んでいく。波がその頬をなで、死の冷たさを拭い去っていった

お願い……たとえ幾度輪廻を繰り返そうと、あなたは「あなた自身」であることを忘れないで

私を忘れてもいい。これまでの全てを忘れても構わない。だから……

夢を見ぬ魔女は人間の体を滔々たる流れへと委ねた。荒れ狂う水がその身を包み、輪廻へと攫っていく

ネイティアは岸辺に立ち、流れに乗って遠ざかる影をただ静かに見つめていた。その姿が眩い混沌の光の中へと消えるまでずっと

再び目覚める時、思い出して。あなたの名前と使命を。それさえあれば、あなたはまた私を見つけ出せるはずだから

彼女は、祈るように小さく呟いた

来たれ!

血の契約の果てで、あなたをずっと待ってる――

グレイレイヴン

最初の記憶は、荒れ狂う大洪水の中で目を覚まし、炎が混沌を裂いて、深淵から引き上げられる情景

次に、激流の中から1挺の銃を掴んだ。本来冷たいはずの鉄が、火傷しそうなほど熱を帯びていた

その銃を握った瞬間――脳裏に響くように、ある言葉が轟いた

血の契約

耳元でふと、軽やかな旋律が響いた

流れる音楽は黄金の糸を織り成し、ばらけた夢の中へと入りこむ。深い眠りから意識を導き、再び現実の温もりを抱きしめさせた

カァ!大将大将が起きた!大将大将が起きた!

風砂の音が周囲に響き渡る中、ぼんやりとした景色の中で、1羽のワタリガラスが自分の肩に止まり、ひとときも止まらずに騒いでいる

人間は舞い上がる黄砂の中から身を起こした。一夜の眠りのはずが、まるで永劫の時を越えたように感じた

夢の中で、懐かしい人と会った気がする。その人は胸が張り裂けるほど切ない声で、何かを託した……けれど、よく思い出せない

すまない、起こしてしまったか?

馴染みのある姿が地面に散らばった枯れ草や小石を踏み越え、ゆっくりと影に歩み入り、人間の側に片膝をついた

人間はほんの一瞬だけ呆然としたが、すぐに首を振り、夢の名残を振り払った

……

砂丘の上に立つ魔女は、ひっそりと岩影にその姿を潜めた。モリガンの報告を聞くまでもない。彼女は、ワタリガラスの眼を通して全てを見ていた

運命の歯車が再び回り始める。彼女も歩みを速めて、盤上の駒をできるだけ早く揃えなければならない

ネイティア

……永遠は私たちの敵じゃない。私たちの敵は、時間よ

この世界は、誰かひとりの意志で動いてはならない。至高の御方は、あまりにも長く盤の外に身を潜めてきた。そのせいで、私たちは裏で糸を引く黒幕の存在を忘れかけていた

動乱の中で死に、アケローン川に囚われた魂。彼らは法則の世界で生きることの卑しさを語っている。草のように踏みにじられるか、あるいは聖堂の犬に刈り取られるか

私は全ての魂を自由に、平等に生かす。死を恐れず、聖堂を恐れずに生きられるように

グレイレイヴン。今度こそ死が訪れる前に、私があなたを新しい世界へ導いてみせる……

……そしてあなたは、その世界の王となる

ひと筋の眩い光が彼女の手の平から放たれ、光は灰色の羽となって舞い落ちた。そして全ての羽が散った時、ネイティアの姿は濁った雨の中に消えていた

ワタナベ!?

……お前は……誰だ?

……バラード殿

取引をしませんか?

あなたは……どうするつもり?

そううまくいくとは限らない、魔女ハイタン。聖堂は子供の遊び場じゃない

じゃ、どうすればいいの?

もしかしたら……力になってあげられるかもね

ヒース殿、あなたが言う人間とは?

この戦争に巻き込まれた全ての群衆だ。救済のために、私はやむを得ず一族の神託を改ざんした。しかし、彼らがこれ以上悲惨な結末を迎えることは望んでいない

それならご心配なく。歴史という尺度で観れば、人間の信念も憎しみも、全て造形可能な意識にすぎません

信仰も、憎しみも、一夜で反転し得るのです

マモンの座は長らく空いたまま。黄金の法則もいずれは崩壊を迎えるでしょう。それはあなたたちと同様、私の望む未来ではありません

だから「協力」とは考えず、先行投資のチップとして受け取ってください

このチップがあなたの手で花開く日を、楽しみにしています

嘘つきね

彼女は、地獄に託された使命を厳格に果たした。行き場のない魂に訃報を運び、「死の王」復活への階段を着々と築いていった

だが同時に、彼女は誰も知られないように、緻密な伏線を張り巡らせていた

そして今、この魔女はついに願いを叶えた

全ての伏線が回収された瞬間、彼女は「人形」の体を掴み、甘い勝利の果実を自分のもとに引き寄せた

グレイレイヴン。私があなたに見せてきた全て……満足してくれた?

それとも、あなたは最初から……こうなることを知っていた?

「枢機主神」と「死の王」の力を同時に得たネイティアはゆっくりと祭壇から降りた。死闘を繰り広げていた天使と悪魔は、次々に彼女に跪き、聖堂残庭でひれ伏した

無数の小さな「星」が泡のようにネイティアの周りを回っている。しかし、彼女がそれに目を向けることはなかった

彼女は大陸そのものを作り変える力を手にしていた。だが、彼女の視線は「血の契約者」……そして、まだなお力強く立ち続けている4人の騎士に向けられていた

ともあれ、あなたたちに感謝しています。私の計画がこれほど円滑に進んだのは、あなたたちのお陰

きっと、あなたたちは怒っているでしょうね。「契約を利用した」とか……そんな風に

でも、怒らなくていい。悔しがらなくてもいい。私はあなたたちの真心と熱い意志に、真の救いの道を与える……私は、この世界を作り直す

ネイティアは手を掲げ、人間界に残っていた何百何千もの「ケイオスバース」をその手の平へと集めた

私は三界をひとつとし、法則を壊し、全ての人間を聖堂に縛られぬ悪魔に変える。残された全ての天使はアケローン川に還し、新たな魂に生まれ変わらせる

その時、魂に重さの差はなくなり、輪廻に「審判」は必要なくなる……

一瞬、宇宙全体が激しく揺れた。ネイティアの両手はまるで「天」と「地」そのものと化し、中心へ向かって、全てを押し潰すように迫っていった

地上の全てが凄まじい圧に押し潰され、捻じれ、やがてひと欠片の「断片」へと変わろうとしていた

地上に残っていた悪魔の大軍や人間もこの奇妙な力に導かれ、ゆるやかに宙へ浮かび上がった。向かう先は、ネイティア自身のために用意した戴冠の場、聖堂残庭――

心配しないで、少しも痛くはないわ。皆、ただひとつの軽やかな夢を見るだけ。そして目覚めたら、永遠の命を手に入れている

なぜなら、これから訪れる試練に耐えるためには、そうした体が必要だから――

彼女は手を閉じ、甘い笑みを浮かべた

この美しい世界の存続のために、次は至高の御方を倒しに行きましょう

バンッ――

突如、奇妙な重力が消え失せた。人々が再び目を開いた時、そこは何もない虚無の空間だった

三界はネイティアの手によって渦を巻く「混沌」と化した。そしてそれは、やがて全ての光を呑み込み、ひとつの「黒き夜」へと凝縮していった――

そう、ここは彼女が創り出した新たなる世界。ここに立つ人々は、彼女の手の平に立っているも同然なのだ

ようこそ――「新紀元」へ

ネイティアが静かに息を吹きかけると、彼女の身から迸った凄まじい圧力にその場の全員が翻弄され、思わず後ずさった

気に入ってくれるといいのだけれど。この「死」も「戦争」もない、完璧な世界を

ヴィラが最初に動いた。双頭槍を抜き、地面に突き立て、怒声をあげた

寝言は寝てから言いなさい!あんたの遊び道具じゃない、あれだけの魂を一気に地獄へ流し込んで、どう離れるように導くつもり?

確かに天使どもは畜生以下よ。でも、あんたがやってることも似たようなものよ?厄介事を、地獄と悪魔に押しつけただけじゃない!

家を守るために戦い、自分の使命のために命を懸けた者たちは、悪魔になることを望んでいない

彼らの選ぶ権利を奪うべきではない!

ワタナベは叫ぶや否や、ネイティアに向けて銃を抜いたが、発射された弾丸は彼女に届く前に、無数の灰色の羽の渦に呑まれて消えた

……普通の攻撃じゃ通用しないってことね!

リリスは後ろで日傘を広げて障壁を作り、ネイティアに重傷を負わされたバンジを守りながら、人間に向かって叫んだ

ここは私たちで防ぎますわ!だから――

申し訳ないけれど「主人公が一度退いて形勢逆転」みたいなお芝居は、私の好みじゃないの

その言葉が終わるよりも早く、ネイティアの足音が響いた。彼女はゆっくりと降り立ち、皆の傍らへと歩み寄った

静かに、四騎士。少し休んでいてください

チリン――風鈴の音が鳴り、世界が瞬時に凍りついた

悪魔も、天使も、4人の騎士も、一斉に動きを止めた。精巧な彫像のように、時がそのまま固まった

ネイティアは片足で軽く地に触れ、体を宙に浮かせたままそっと人間の手を取ると、闇の彼方へと導いた

グレイレイヴン。ずっとあなたに話したかった……私の本当の夢を

人間の体はネイティアに導かれ、ふたりは幾百もの「星」の間を漂った

ずっと考えてきたわ……どんな世界が、全ての存在にとって「幸福」なのかを

天使も悪魔も人間も、それぞれの立場で、それぞれの利益のために争い続ける。至高の御方が作った法則こそが、終わりなき矛盾の源

彼女はそっと人間の手を引き寄せ、その身を自らの胸元へと近付けた

全ての者を「悪魔」に変え、至高の御方に向けて放つ。それが、私の導き出した最終的な答え

強引にでも全員の立場を等しくすれば、皆が気付くはずよ。真の敵が誰なのかを

バサッ――ネイティアは虚空に漆黒の翼を広げ、抱いた人間をその懐に包み込んだ

グレイレイヴン。あなたなら……私の理想を理解してくれるでしょう?

一緒に行きましょう。全ての苦痛を消し、全ての圧政を覆すために……

かつて私たちを蝕んだ苦しみを、もう誰にも味わわせないために……

彼女は腕を組み、まるでその魂さえも閉じ込めようとするように、人間の体を強く抱きしめた

その声は微かに震え、懇願するように低く響いていた