ハカマは、昔のようにあの小さな部屋で永遠に終わらない問答ゲームをもう一度やりたいと思っていた
だがナナミはもう昔のナナミではなく、自分も……変わったことをよく理解していた
今のハカマは機械教会の「隠者」で……ナナミは彼らが探し求める最も重要な存在なのだ
みんなが迷って怯えているのは知ってる。ナナミだって同じなの……未来の中で人類と機械のむごたらしい結末を、何度も見てきたから
ハカマたちの今日の行動がたとえ成功しても、人類と機械はいつかパニシングのせいで、どっちも滅びるかもしれない……
それなら……あなたがやったことにどんな意味があるのでしょうか?
ナナミはパワーからピョンと飛び降りると、首をひねって考え始めた
うん、それもそうだね……ナナミがやったこと、未来から見たら何の意味もないのかも。でも、未来が少しずつ変わるって信じて、努力する人はきっといるはずだよ
目の前に浮かぶ地球を眺めながら、ナナミは柔和な笑顔を見せた
みんなが弱いと思っている人間は、今でも地球でわずかな希望のために絶望と戦ってるんだ。ナナミがこれ以上逃げ続けたら、超カッコ悪いじゃん!
ナナミは自分にできることを一生懸命やるの……人類のお友達として、同時に覚醒機械の先達……セージとしても
ナナミは機械たちを連れて、ナナミが選ぶ未来へ進む。最後の最後に、人類と機械が愛し合う結末にたどり着くまでやるんだ
ナナミの横顔を見ながら、ハカマは初めて、彼女の昔とは違う大きな成長を感じた……
そうだ!ナナミが見たものを描けば、ハカマに見せられるよね
次はハカマにも持ってくるね
――絵で伝える必要はもうありません。あなたが見た風景は、私もあなたの痕跡に導かれながら、この目で見ていましたから
……じゃ、これからは「ハカマ」って呼んでいい?
ハカマ!
その名前は、あなたがくれた贈り物、私の宝
うわあ……こんなにリアルな夢なんて初めて!あなたは誰?
あなたは私のことを覚えていないでしょうけど、私の思い出は色褪せたりしない
迷いやためらい、全てはこの瞬間に氷解した。どうして自分は「正しい」未来に拒絶反応を起こしていたのか、ハカマはようやく理解した
それは彼女が欲している未来ではないからだ。ナナミには異なる選択をして欲しい。未来は別の方向へ伸びて欲しいから
ナナミはこの実験が最終的に求める答えでもある――機械の愛は最後にはプログラムの枷から解放され、彼らは人類の愛と善意に包まれた道を進む
そんなナナミに、彼女が枷をかけていいものだろうか?語りかけようとした言葉は、再び深い湖の中へ沈んでいく
ナナミはハカマの記憶の中の少女のままであるのと同時に、全ての機械が追い求めたセージである
セージ様、あなたが何を選択なさっても、私はあなたの側にいます……永遠に
ナナミは笑ってハカマに手を差し出した
おっけ、今後もよろしくね、ハカマ……それとピカりん!
ピカりん……?もしや俺のことか……?
私の名前を……覚えているのですか?
もちろんだよ。ハカマはナナミのお友達だもん!
かつてハカマは交わした会話の記憶をナナミから全て削除していたが、ナナミは「未来」で彼女と出会い、友達になっていたのだ
それは無数の演算によって起きた誤差かもしれない――だが未来がどのように発展しようとも、ナナミはハカマと真の友人になる運命だった
はい……ハカマは、そう、ナナミのお友達です
ハカマはナナミの手を握りしめた。今は初めてだが、彼女はこれから何度もその手を握るだろう。彼女は自分に約束した――過去でも未来でも、ナナミの友人になることを
……だから、ナナミは決めたの。本当の旅を始めるんだよ!
ずっとそう言ってるけど……
今回は違うの!
ナナミ、ある人からスッゴイことを聞いたんだ~。そのお宝を探しにいくの!
両手を後ろに組んで、少女は微笑んだ。いたずらを企んでいるようにも見えるが、その目には固く信念が宿っている
でもその願いを実現するには、みんなの力が必要なんだ
ナナミ、もっと仲間を見つけて、みんなを集めなきゃ
だって、たっくさんのお友達がナナミを待ってるからね!
そう言っておいて、また勝手にふらっとどっかに遊びに行って、しばらく雲隠れするんだろ?
しないよ!
今回はナナミ、お友達を置いていかないから
マーチン、ロハちゃん、ハカマ、ピカりん……
それと道に迷った子供たちも、ナナミが家に連れて帰ってあげる
ナナミガクレタ座標、確認シタ
よ~し……新ナナミ探検隊、出発!
未完成のグラフィティアートがこの瞬間、重なり合った。それは1枚の完成された絵になっていた
Video: 哈卡玛版本过场动画