Story Reader / 叙事余録 / ER01 遥かなる方舟 / Story

All of the stories in Punishing: Gray Raven, for your reading pleasure. Will contain all the stories that can be found in the archive in-game, together with all affection stories.
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ER01-10 緋色の脅威

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甲高くて重厚な衝撃音が響き、どっしりと重たい扉が開いた。暗い大広間に一筋の光が差し込む中、おぼつかなく歩く足音が聞こえた

だ……誰か……来て……

石造りの地面に金属がぶつかる音が鳴り、全てが静まり返った

全滅ですって?

あの「カグウィル」は残骸すら回収できなかったらしい……たとえパニシングの仲間――侵蝕体――になっても、この海に無慈悲に飲み込まれてしまうだろう

ハカマの横に、獣の頭と人型の体をした獣人型機械体が立っている。彼は教会の新メンバーだった

教会に加わって間もないが、シブナは単独行動を好むハカマに気を許しているらしい。曰く「どうやら他の頭のおかしいやつらとは違う。あの手のはごめんこうむりたい」

彼はかがみこんで、地下から伸びている赤い結晶体を触った

植物……みたいだ

シブナ、「恋人」の状況は?

知りたくもないが。アルカナ様が修復していますよ

あなたは出発前に彼女の状況を確認しにいったのでしょう?

だが、それほど侵蝕は進んでいない。アルカナ様は彼女の電子脳を一時的に音楽プレイヤーに繋げました。あのゼロがプレイヤー経由でキーキー叫ぶ様子は笑えるでしょうね

その様子は映像メモリーに残しました。これを見せれば彼女もおとなしくなるでしょうから

その程度では、彼女には脅しにもならないでしょう

エリア内のデータ分析完了。成分不明、高濃度のパニシングを検出

ハカマが挙げた指先からデータの投影が映し出されると同時に、そのデータはシブナに伝送された

これほどの濃度とは……巻き込まれたら一瞬でやられて、ネジの1本も残らない。ゼロが率いていた「カグウィル」たちの哀れな最期が目に浮かびますよ

ハカマは眉間にしわを寄せながら、周りで送受信されている無線信号をスキャンし始めた

人類と構造体にとってこの海は壊滅的な危険性を有します

私たちもなるべく近づかない方がいいでしょう

ハカマは高台からその下を流れる赤い川を眺めた

……「赤潮」

何です?

命名は適切ですね

ハカマは振り返ってシブナを見た

人類はこの物質を赤潮と呼んでいます

任務目標更新、機械教会の拠点に現れた「赤潮」を調査。データを記録して分析、その形成原因と危険性を判定

私は東のエリア、あなたは西のエリアを。任務を開始しましょう

ああ、気をつけてください