ハカマが門から出た瞬間、爆風が彼女を押し出し、耳をつんざく轟音が鳴り響いた
研究所は瞬く間に火の海と化し、倒壊した壁で全てが埋もれてしまった
爆発の衝撃が彼女のコアに響き、思考回路に一瞬異常が発生した。彼女の電子脳を何かが引き裂くような「感覚」は、人格をシミュレーションできないほどに強力だった
しかし、彼女には重要な使命がある。現在の最優先事項は混乱した回路の整理と判断した彼女は、一時的に異常を引き起こしていた感情アナログモジュールを停止させた
記憶装置には、ナナミのシグナルが最後に検知された地点が記録されている。彼女はそこまでの最速かつ最高効率のルートを割り出した
生まれ変わった機械は新たな名前と使命を抱き、惨憺たるこの世界に一歩を踏み出した