声を頼りに皆を見つけたが、暗闇の中、更に極地機兵に搭載された弱い光源では、出口を見つけるのは困難だった
それに――
私は見てません
えっ、コトラちゃんは指揮官と一緒じゃなかったんですか?
手分けして探しましょうか?
耳を澄ましても、静かな空間に聞き慣れたあの「ニャガオ」という鳴き声が聞こえなかった。呼びかけても、暗闇の中に声が吸い込まれていくだけだ
極地機兵の照明がエネルギー不足でチカチカし出した。そればかりか、周囲の空気が更に冷たくなっていくのを感じ、厚い装甲を着ていても防ぐ術はなさそうだ
声が震えるのに耐えながら「コトラちゃん」と名前を呼び続けたが、応答はない
指揮官、空を見てください!
空を見上げると、光を発していた月がいつの間にか弓の形ではなく、まったく別の形になっていた
あれは……小さな虎の頭の形だ。しかも、どんどん飛んで遠ざかっていく
尾炎が残した跡が文字を形作った――
「ステージクリア」
呼びかけに応えるように、すでに光となったコトラが振り向いた
耳がピコピコと回転して、それはまるで手を振っているようだ
そして再び、自分は無重力の感覚に陥った