Story Reader / Affection / リリス·万魔 その1 / Story

All of the stories in Punishing: Gray Raven, for your reading pleasure. Will contain all the stories that can be found in the archive in-game, together with all affection stories.
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リリス·万魔 その5

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エレノアは近くから引っ張ってきた椅子に座っている

そして、彼女はゲーム用のリストバンド式端末を手に取った

まだ次のラウンドを始める気はないようですね

そうですね……

彼女は興味津々にこちらを見つめている

もし私があなたの相手だったら、ゲームのペースを落とすでしょうね

やっぱり、あなたもそう思いますか?

エレノアは軽く笑った

あら、これもあなたの計画のうちかと……

安全な場所に隠れて何もしなければ、相手を最大限に長く苦しめることができますから

時間の概念がない檻の中では、誰しも時間の流れを正確に把握できない

睡眠や体のコントロールも、時間の経過とともに狂っていく

タイムリミットの1時間は、休憩や思考時間として設定されたのかもしれないが、ゲームが進むにつれて、プレイヤーにとっては拷問の時間となる

「選別」という言葉が頭の中に浮かんだ

私も同じ意見です

それはそうと……これからしばらくの間、私たちはふたりで一緒に過ごすのでしょう?

エレノアが意味ありげに、こちらに近付いてきた

ここのこと……もっと知りたくありませんか?

私はただ籠から逃がれ、自由を求める鳥にすぎません

エレノアが空を指さした。彼女の言葉が、先ほどの途切れた思考に引き戻した

彼女は指の間からカードを投げた。カードは空中で円を描き、再び彼女の手に戻った

普通なら断るところですが……

……構いませんよ。その代わり、私の好奇心も満たしてくれますか?

エレノアは端末をこちらに向かって投げた。怪我人への配慮はまったくない

金属フレームを触ると、そこに刻まれた自由に関する言葉が指を伝った

彼女は渡された端末をテーブルに置いた

できるだけ傷口に負担がかからないようにして、ゆっくりとソファに横たわった

痛み止めが効き始めてきたのか、瞼が重くなってきた

瞼を完全に閉じる直前、エレノアが保温ブランケットを掛けてくれたのがわかった