Story Reader / Affection / クロム·弧光·その2 / Story
敵の行動経路を送信しておきました
とんでもないです
私の逆元装置は特化改造を施されていて、マインドビーコンがグレイレイヴンほど敏感ではないのです。ですから、他の構造体よりは長い時間単独行動ができます
これも任務の成功率を高めるためです
隊長として、十分に注意いたします。心配は御無用
カムイはまだ偵察中ですか？
承知しました
……チッ。指揮官、すみません、ちょっと処理しなければならないことが……
通信を切断します
指揮官、11時の方向に強力な異常波動です！
ストライクホーク隊長からの情報に基づき、迎撃準備を整えましょう
指揮官、何か足りないと思いませんか？
あいつの存在感は、あいつの知性並に薄まったんですかね？
……あ！カムイさんが戻ってきてませんでした！
あれが戻るまでは、軽率に動かない方がいいでしょう。敵だと思って攻撃したらあいつだった、なんてことになったら大変です
指揮官、カムイとリンクできますか？
おらぁ！
遠くの廃ビルの窓枠から大剣が飛び出て、勢いよく地面に刺さった。続いて、お馴染みの姿が大剣の隣に飛び降りてくる
指揮官！みんな！ここにいたのか～～！！
……
し、指揮官……エリア内の異常波動が消失……
イエス！！！俺が片づけてやったぜ！どう？俺すごくない！？
へへーん。指揮官が言うんだから、俺はすげぇやつで間違いないな！
え、なんで？
カムイを隊員として従えるなんて、クロムの強靭な意識海には心から畏敬の念を覚えますね
指揮官。カムイの信号が敵のルートと重なっているようなのですが、現在の状況は？
……指揮官は安全な場所においでですか？カムイは？
大至急向かっています、あと5分持ちこたえてください
……それは、正当な手段で？
本当ですか？お気遣いは無用ですよ？
指揮官～！隊長にもっと言ってよ～！俺、活躍したじゃん！
そいつは無視してください
……きちんと、計画通りに行動していましたか？
カムイのことは、ストライクホークの責任でもありますから
ですが、指揮官に免じて、今日のところは目を瞑りましょう
カムイは優秀です。得意なことであれば、うまくこなすでしょう
適材適所とはよく言ったもので、段取りさえしっかりしておけば、カムイは見事に仕事をこなしてくれます
隊員の適性を見極めるのは、隊長に欠かせない素養ですから
指揮官も、隊員のことはよくわかっているでしょう？
へへ、俺ってば、天才だな！！
調子に乗るな。帰投したら、きちんと総括するように
隊長、約束忘れてないよな！絶対だぞ！
ああ
