うーん……?
指揮官?
指揮官の足音はよーく記憶に刻んでるから、間違えたりしないぜ
お陰でだいぶいい感じだよ、ほら――
えっ——はっ——ほっ——
もう全然問題ない!
にししし、元気いっぱいのカムイで戻ってくるって言っただろ?
本当だって!なんならメンテナンス設備のデータを見てくれよ
アンタに嘘をついたりするもんか
――大事な指揮官なんだから
ところで……今、他に誰もいないよな?
良かった!
別に、ただ……
ちょっと話があるんだ
まさか、わかってた!?
じゃ、じゃあさ……指揮官だったらどうする?
目の前にもうひとりの……自分が現れたとしたら
それは構造体でも同じだと思う?
唯一性を失うから、困惑するってこと?
そっか……ありがとな……指揮官
え?何の話かわかっちゃってる!?
なーんだ
俺の考えることなんか、全部丸っとお見通しなのかと思ったぜ
へぇ?つまり、俺のこともっと知りたいってこと?
はは、冗談だよ冗談!指揮官って本当、いつでも作戦のことばっか考えてんのな!
ああ、えーっと……ちょっと現実離れしてるけど、未来のことだよ
ほら、俺たちの作戦の目的って地球の奪還だろ?
でさ?もしも……もしもの話だけど、その日が来たらさ
俺たちの毎日は、どんな風になるのかな?
え、考えたことなかった?戦争が終わったら、こんな超過密スケジュールの忙しい毎日とおさらばできるじゃん
そしたらすっごく時間ができて、やりたいことも自由にやれるし、行きたいところにも自由に行けるようになるだろ
そうなったら、指揮官は何をしたい?
気になってさ……知りたいんだ
……うん……やっぱり指揮官にはお見通しだったか
俺たちは、人類の故郷を取り返すために生まれたんだ
それが実現しちゃったら、俺たちの存在意義はどうなるんだろうって……
へ?
俺らしくないってか?……なんかアンタと長くいるうちに、色んなことに気づけるようになったと思う
なるほど……へへ、ごめんな、どうでもいい話をたくさんしちゃった気がする。指揮官までうるさいなんて言わないでくれよ?
そっか。やっぱ指揮官は最高だな!へへ
うん?
お!約束だぞ!
へへへ——
指揮官……
俺は、ストライクホークの隊員だけど
アンタが期待するその日に向かって、まっしぐらに進むぜ!