Story Reader / Affection / リーフ·白夜·その6 / Story

All of the stories in Punishing: Gray Raven, for your reading pleasure. Will contain all the stories that can be found in the archive in-game, together with all affection stories.
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リーフ·白夜·その4

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ひとたびこの平和な世界に身を置くと、季節は流れるようにすぎていく

歯車の一部となり、いろんな町へ赴き、作業員と機械を援助して復興の仕事を完成させていく。そして、再建エリアをどんどん拡大し続ける

戦闘の技術は頭の片隅に追いやられ、もっと単純で些細なことで頭が埋め尽くされていく

たとえば食材の価格、あるいはそれぞれの植物に適した水やりの量、どの肥料が合っているのかなど

仲間との会話も次第に「今年の春は雨が少ない」というような話題になっていった

少女は炎天下で枯れる花に嘆き、花びらに残る朝露に喜ぶ

彼女は平和のゆえに、自分の感情を錆びさせることなく、逆により豊かで繊細に保っている

我々は町の傷を修復し、町を見守った

繰り返していく穏やかな日々の中で、すぐにまた収穫の季節がやってきた

機械と一列に並んで、黄金色に輝く麦畑の中を歩くと、たわわに実った果実をつけた樹木が風に揺られ、収穫を待っている

彼女と皆が期待している通り、四季の移り変わりの中で、全てが以前の暮らしとして蘇ってきていた

いくつもの花が咲き乱れる庭、芝生に落ちる果実、笑い楽しむ人々、優雅に群れで出かけるカモシカ――そういったものほど、人を魅了するものはない

熟した果実を収穫し終えると、秋風が人々に囁きながら、冬の訪れを知らせる

雪の絨毯をめくると、また新しい一年の春を迎える

ここでは、平穏な生活と仕事が永遠に続いていく

そう、本来、こうでなければいけなかったのだ

――ある平凡な夜、遅れてやってきた悪夢が、再び眠る者に侵入した

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このままだと手遅れになる

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何らかの強制手段を取らなければ

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しかし、それでは[player name]の脳に永久的なダメージが残る

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私が自らやります。ふたりの一部のデータをしばらく遮断すれば、[player name]は異常を察知するはず

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まずは何の遮断を?

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察知しやすい存在から始めましょう

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ルシアとリーか?

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その通り

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しかし、それでも[player name]を引き戻せない

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[player name]が気づけば、勝機があります

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その方法はリスクがありすぎる、しかも効果は限定的だ

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他の方法がありますか?

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……

わかった、それでいこう

悪夢から目覚めた時、すでに昼前だった。部屋はやけに静かだ

部屋の入り口で仲間の名前を呼んだが、返事がなかった

再び声を大きくして叫んだが、やはり何も反応がない

つい先ほどまで見ていたリアルな悪夢を思い出して、嫌な予感が胸によぎった。仲間の名を呼びながら、家中を探し回る

しかし、そこには誰もいなかった

それだけではない。リーとルシアの生活用品までが全て消えている。まるで彼らがともに、黙って去ってしまったようだ

端末を開くと、ふたりの通信番号の記録も消えていた

記憶に頼って番号を押しても、番号が存在しないと表示される

平和な時代の方法に従うならば、こういう場合は警察に連絡すべきだろう

もう一度端末を手に取り、状況を町の仲間に知らせてみる。しかし彼らは苦笑いしてこう言った

寝ぼけているんですか?あなたがいうそんな人たちなんて、存在しませんよ

データベースだけではなく、私自身にもルシアとリーという人の覚えはありませんが

彼らが本当にあなたと同じ小隊の隊員だというなら、この前、家に訪ねた時に会っているはずでしょう?

はぁ?あの時はあなたと、もうひとりの娘しかいませんでしたよ

こっちも忙しいんです、また今度ね

相手は急いで通信を切った

広くて明るい部屋が、物寂しく感じられた

小鳥

ピピピ、ピピ――

リーフが助けた小鳥が、散歩を終えて窓から飛び込んできた。首を傾げながらこちらを見ている

少なくともリーフの部屋には変化がなかった。彼女には連絡が取れるはずだ

端末の彼女の通信番号を押すと、すぐに彼女の優しい声が聞こえてきた

おはようございます、[player name]。朝食は冷蔵庫に入っています、ご覧になりました?

……彼らが……消えたと仰るんですか?

なぜデータベースまで情報が……?昨日まで一緒にいたのに、それは警察の人がふざけているのではないでしょうか?

突然、激しい頭痛に襲われて、視界が真っ暗になった

――指揮官!目を覚ましてください!

――ダメだ、他の方法を考えましょう

――ここで諦めてはいけない、あと一歩なんです

――今の状況は確かに厳しい。でもあのふたりを守るためだ

――リーフがいなければ、[player name]は今頃、おそらく

[player name]のマインドビーコンが侵蝕されている。ここままだとまずいことになります

……[player name]までが、限界だと?

――強制切断!

……意識が再び深い闇の海に陥った

[player name]……[player name]……

明るい光が暗闇を追い払った。すると、少女の今にも泣きそうな表情が目に入った

そう訊ねてみると、相手はすぐに頷いて答えた

私です……[player name]……

……これは……闇蝕機体を使っても何の異常も検出できなかったので、他の方法を試してみました

白夜機体でもあまり検出できなかったのですが、それが終わったら……あなたが目覚めました

束の間の喜びのあと、リーフはすぐにまた無表情になった

私もルシアとリーさんを見つけられませんでした。一体何が起きたのでしょうか?

データ遮断……夢の中で皆さんの声が?

……仰っている意味は……?

――こちらが夢の中にいる?

…………

どちらもこの推測を口にするのは避けた

10年間続いた平穏な日常、貴重な日々は、夜空に輝く星のようだった

その美しい日々を思い返すと、たったひとつの悪夢で簡単にそれを否定していいのだろうか、そう思えてくるのだ

はい

皆さん、きっと待ってくれています

少女はためらうことなく、すぐにその提案を受け入れた

地上を移動しての捜索は時間がかかりすぎるので、空から捜索しましょう

ええ。行きましょう

リーフは窓際まで歩き、こちらに向かって手を差し出した

次の瞬間、体が彼女の腕の中に抱かれた。少女は窓から飛び出し、翼を広げて空へと飛び立った

[player name]、指示をお願いします

呼び方が変わっても、仲間同士の信頼感は変わることはない

端末から地図を呼び出して、大まかなルートを決めた。ふたりは夏の夜の暖かい風の中へと飛び立った

顔を上げてリーフを見ると、彼女は目を閉じて、行き先と計画を自分に任せることで、全力を町と家の中の人々の検索に充てている

記憶の中のリーフはいつも優しくおとなしかった。こんな真剣で冷静な表情を見ることは滅多にない

これは彼女がおとなしいだけの性格という意味ではない。彼女自身の願いを守るためなら、リーフはきっと……

喜んで自分自身を犠牲にするだろう

奥深いところに眠っていた記憶が徐々に目を覚まし始めている

空中庭園に戻ったあとの、アシモフとヒポクラテス教授……

彼女の意識の一部が高度に汚染されたデータ乱流の中に取り込まれている。こんなことはお前にしかできない

……

断片的な記憶がどんどん蘇ってくる

この優しい10年に抱かれる前の、あの理解しようもない、名状しがたい汚染データの中を探し続ける日々

……指揮官……

景色が反転して崩れていく

私はもう……グレイレイヴンに残れないでしょうね……

全てが崩壊し、暗闇の中に乱雑な声だけが響いている

???

リンクの影響が深すぎた、我々は……[player name]の知覚を遮断しなければならない

もし――ザ――どうする?

他の選択肢はない。[player name]が記憶を取り戻すことができたら、まだ勝機が……

声が徐々に遠くなる。ここに留まった自分は再び誰かに導かれるようにして、深淵へと落ちていく