グレイレイヴンは、空中庭園に帰る輸送機の中にいた
指揮官は上下に揺れる輸送機の中でうとうとし始め、途中まで書いた紙の任務報告が隣に座る構造体の膝の上に滑り落ちた
黒髪の構造体の少女がそのノートを受け止めた
保全エリアの作戦支援要請
要請レベル:B
発信者:地上保全エリア
任務概要:居住者の避難及び指定物品の回収。
保全エリアに駐留する執行部隊の隊員と協力して作業を完了するための人員派遣を求める。
任務概要の下には、見覚えのある字で保全エリアの番号が書かれ、丸で囲んであった
2年前、ルシアの起動日に彼女が単独で支援任務を遂行した保全エリアだった
候補のひとつ
……
ノートには、多くの任務名が乱雑な線で消されていた
他の任務はあまり適さない
これが第一候補
任務中に、ルシアが休暇を取れるように。新機体の適合も大変……
……
指揮官……
隣の人間は、首をかしげたような恰好で寝ている。ルシアのささやき声に耳を傾けているかのようだ
……
彼女はそっと指揮官の体を動かし、楽な姿勢で自分の肩に寄りかかれるようにした
ペンが紙の上でサラサラと音を立てている。しばらくすると任務報告が完成した
ルシアは静かにノートを閉じ、珍しくぼんやりと窓の外を眺めた
しばらくして、黒髪の少女は軽く目を閉じた。そして彼女の指揮官、彼女の安らぎである存在にそっと寄りかかった
夢の中、カエルちゃんは自分にぴったりの四つ葉のクローバーを見つけていた