Story Reader / 本編シナリオ / 40 よりよい明日 / Story

All of the stories in Punishing: Gray Raven, for your reading pleasure. Will contain all the stories that can be found in the archive in-game, together with all affection stories.
<

40-2 安全総監

>

ジ……ジ……

――!!!

あら、あと少しだったのに

ネイティアが軽く体をひねると、灼熱の刃が彼女の目の前を掠め、地面に恐ろしいほど深い穴を穿った

こんなに長い年月が経ったのに、あなたたち、ちっとも成長してないのね

彼女は軽快に回転し、手にした巨大な鎌をシュッと振り上げ、侵蝕体の肩に振り下ろした

ふふ、今度は私の番

ネイティアは右足を上げて敵の胸をぐっと踏みつけると、鎌の刃先に少々の力を込めた――

胴と首が斬り飛ばされ、火花が飛び散った

行動ログ更新。カヘティ郊外に進入し、周辺の脅威を排除。パニシング濃度は……

ジ……ジ……

先きほどから、ネイティアの通信チャンネルにずっと正体不明のノイズが混じっていた

彼女は腕の装置をチラリと見た。ニキシー管の数字が、ノイズの強さに合わせて急激に上昇している

何かがおかしい

赤霧が通信回線に侵蝕的妨害を与えることを観測。行動ログを提出し、任務終了までに科学研究一部の対策案を検討すること

彼女は遠くにある懐かしい街へと進み続けた。霧がだんだんと深く、濃くなるにつれ、耳元のノイズもはっきり聞こえるようになった

放射区……拡大……

死傷者は……ダメだ……すぐ避難を……

……昇格者!!

ピッ――鋭い着信音がノイズをかき消した。科学理事会からの最優先度の通信が強制的に接続される

やがて、冷たい声が響いた

……ネイティア、今回の行動は科学理事会の単独実行とはいえ、原則として軍部はお前に対して行動を指示、指揮する権利がある

この任務がお前にとって非常に重要なのはわかっているが、軍部からの通信を遮断するな

あなたは私の行動ログを確認していますよね。カヘティ放射区の特殊性を考えると、軍部も事後でも私の便宜上のやり方を理解できるかと

別に構わん。お前の小細工などどうでもいいが、ニコラから非常にまずい状況だと聞いている

ここのパニシング濃度が急上昇しているのを確認しました。だからこそもっと集中し、速やかに自分の任務を終えなければいけないんです

それこそがこの連絡の目的だ。目標優先度が変更された、実験データの回収は一旦中止だ。別の支援任務を優先的に実行してくれ

ネイティアは僅かに眉をひそめ、指先で杖を軽く叩いた

首席技術者殿。戦地での任務の優先順位は、安全総監本人による現場判断が優先されるはずです

カヘティのパニシング濃度が急上昇している、放射区の奥で実験データを回収する最後のチャンスが、今かもしれません。他の任務に割く余力も意欲もない、これが私の判断です

……

地球外の遥か遠くの場所。アシモフはコーヒーを飲みながら、目の前にある赤いバツ印だらけのファイルを眺めていた

「科学理事会安全総監――ネイティア」、ファイル最上部には該当文書の提出者の名が明記されている

ネイティアは2162年に空中庭園に来て以来、約20年の間に、世界政府に合計79回もカヘティ放射区の調査申請を提出していた

……民事申請51件、科学理事会の公式申請28件

しかしその全てに、例外なく真っ赤な「不承認」の印が捺されていた

もちろん理解はしている。お前がこの帰郷の機会をどれほど長く待っていたかはな。恐らくデータ回収すらどうでもいいんじゃないか?

しかし目下の状況が特殊だ。放射区の拡大により、空中庭園は昇格者討伐部隊を撤退させた……が、ひとりの人間がそこに取り残され、現在は連絡も途絶えている

その人間を助けることは、結果的にお前の行動の助けにもなる

またそんな話ですか……首席技術者殿、一部や二部のマッドサイエンティストたちのために、これ以上力を無駄にしたくありません

そいつの名前は[player name]という

……?

通信の向こうから聞こえる足音が止まった

映像の中のネイティアはアシモフを見つめ、その情報が本当なのかを確認しているようだ

軍部では現時点で、[player name]の失踪と放射区の拡大について、昇格者との関連を確認できていない。理事会の「設備」を壊さないよう、警戒を怠るな

……首席技術者殿、ニコラ司令に伝えてください。この「突発事項」を解決したら、私は任務を遅らせる今回のような命令を二度と聞かないと

望み通りにする。俺はただお前に[player name]の安全と、カヘティの実験データを確保してもらいたいだけだ

ネイティアは小さくため息をつき、来た道へと向きを変えた

正確な座標をください。今すぐ行きます

私がいる限り、誰もその人その人を傷つけさせない