Story Reader / 本編シナリオ / 39 冬冠の枯死 / Story

All of the stories in Punishing: Gray Raven, for your reading pleasure. Will contain all the stories that can be found in the archive in-game, together with all affection stories.
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39-17 正面決戦

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まさか、負けたりしないよな……

踏ん張れ!1歩でも退いたら終わりだ!

異合生物の波と、氷海からの爆撃はやむ気配を見せない。赤いオーロラの下で、皆の表情はますます険しく歪んでいった

了解!総員、指揮官を中心に集合!

……ダメ、今は誰も力が出せない

ドォン――!

うわッ!

またミサイルが1発着弾した。異合生物を巻き込みながら、こちらの陣地に被害を与えている。型はドレークが撃つものと同じだが、その狙いは――

もう、海にまた氷皇のクジラが現れたよ。しかも1頭どころじゃない

異合生物が現れて、シーモンがあんたへの警護を最優先にしろって。中核が必ず狙われるはずだからってさ

ちょっと待って、今、氷皇のクジラの群れって言った?

うん、おおかた敵が隠してたんでしょ。開戦直後のあのクジラみたいに

――

ん?この声は……

再びクジラの鳴き声が響き、海面に1頭のクジラが浮上した。方向的に、パルマが今言った「隠されていた」クジラのうちの1体らしい

あいつ、まだ死んでなかった……

氷皇三公のひとり、フェドールだよ。あのクジラの頭の上にいる

ゴーグルの補助機能で、パルマの語ったその人物はすぐに見つけられた。最初に遭遇した三公のうちのひとりだ

別の戦場でパルマとどんな戦いを繰り広げたのかは知らないが、彼はこちらに気付くと、不敵な笑みを浮かべた――

構造体なんだ、体に穴のひとつやふたつ空いたところで、どうということはない

そう、じゃあ穴だらけにしてやる!

ねえ、聞こえる?ロゼッタ、グレイレイヴン指揮官!

私にもよくわからない……アシモフ、あなた、ドレークの力を借りてあの特殊な意識海を構築できるって言ったよね?

理論上はな。スウォームネットワークと「リーダー」という設計を使えば、巨大な仮想意識海アレイを構築できる。参加者が多ければ、機体起動に必要な理論値も突破できるはずだ

問題が見つかりました。ドレークの演算ユニットが破壊されてる!

破壊……まさか!

ロゼッタも同時に、かつてドレーク上で戦ったαを脳裏に浮かべた。真相は断定できないが、アシモフの説明からなんとなく今の問題点が見えてきた

いや、演算ユニットは壊れているが、バイオニッククジラそのものは巨大なデータ処理センターみたいなものだ

サーバーとして使う分には問題ないけど、肝心のデータ処理だけは代わりが効かない……リーダーのドレークだけが演算モジュールを持っているの。他のクジラはただのサブ機よ

演算の問題なら俺が解決する。そこの付近に仮想都市を維持できるサーバーがある。ただし、遠隔演算を安定させるためには……

ミネイル博士、そっちでドレークを連れて、地図上のこのポイントに突撃してもらいたい

アシモフは衛星マップを展開し、マップ上にバツ印を記した

ねえ、ここって、敵軍のド真ん中じゃない?

疑いを隠そうともしないパルマの声がすぐに割って入った

地上は迎撃布陣がびっしり敷かれてるし、海上には敵に操られたバイオニッククジラがうようよ……今の僕たちの状態で、本当にこれを突破しろっての!?

現状で勝つには、マルクトを起動し、影響を受けない意識海アレイを構築するほかない。そして――

アシモフもミネイルも、この戦争を通してロゼッタの新機体が強大な力を持っていることを認めていた

その時、新たな爆撃の衝撃波が地面の氷塊を跳ね飛ばし、火花を散らす瓦礫が雹のように降り注いだ。砂塵とともに、異合生物の群れが襲いかかってくる

赤いオーロラが血の霧のように兵たちの体に纏わりつき、皆、呼吸もままならない。極地機械たちもアンチ統合モジュールがあるとはいえ、自我を保つのがやっとの状態だった

ゲホッ……

激戦の最中、ある構造体がよろけ、押し殺した呻きとともに体を震わせ続けていた。その指先に細かな氷晶が浮かぶ――循環液が低温とオーロラの干渉で異常凝固を起こしている

どうしたの!?

意識海を誰かに掘り返されてるような感覚が……視界もぼやけてきました。すみません……俺……

[player name]、これ、どうすんの!?

赤いオーロラが空を裂き、急激に劣勢に追い込まれている。機械ユニットのギアが軋み、構造体たちは激痛に膝をつく。金属フレームも震え、すでに何人かは戦闘不能だ

普通なら撤退すべき状況だった。だが、勝機は1度きり――アシモフが提案した「ドレーク案」だけが、戦況を打開する唯一の解決策なのだ

ダメでも行くしかない。すぐに部隊を率いて突撃する!

まだ打つ手はあるんだろ?パニシングとやり合ってやる!

私も……まだ勝機があるなら!

指揮官、私も……総帥として、この戦いに勝ちたい!

ならば、今すべきことはひとつしかない――

了解!