Story Reader / 本編シナリオ / 39 冬冠の枯死 / Story

All of the stories in Punishing: Gray Raven, for your reading pleasure. Will contain all the stories that can be found in the archive in-game, together with all affection stories.
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39-16 最終マスターユニット

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頭が痛い……意識海が――

機体のエネルギー供給が……

この赤いオーロラは一体何なんだ

シーモン、侵蝕体と異合生物の攻撃が急変した!

リーさん、防衛支援に回っていた極地機械たちが、一斉に戦闘不能になっています

ガアァ――!

何か問題があったのですか、指揮官……

ゴホッ!

ミネイルのいう「起動」は訪れなかった。赤いオーロラが広がった途端、ロゼッタの機体が反応し、彼女の意識海が不純物を流し込まれたように乱れ、一時的に思考がフリーズした

その結果、ふたりの意識リンクが一瞬途切れ、ヴォールの拳がロゼッタを直撃した

すぐさま接続し直すと、機体機能は正常に戻った。ロゼッタは光剣を地面に突き刺して衝撃を逃がし、何とか倒れることなく踏みとどまった

ありがとう、指揮官……

一体、何が起こったんだ?

……皆、気を抜くな!

再び負傷する事態は避けられたが、赤いオーロラの出現で現場は大混乱だった。機械も構造体もそれぞれが異常をきたし、酷い者はすでに意識を失っている

思ったよりタフね。まあ、「最終統合」が発動した以上……

教えてが多いわね、空中庭園の人って

以前の話し合いの際、ミネイルもロゼッタの機体を最終マスターユニットと呼んでいた

――!

ガアァ……グゥ!

将軍の従兵のように異合生物が彼女の背後へ集まり始め、混沌の壁となってヴォールの後ろに続く。彼女は異合生物に辺り一帯を呑み込めと命じようと、その手を振り上げた

この争いもここで終わりね

……ん?

言い終える前に空の彼方から鋭い音が響き、数発のミサイルが黒煙を引きながら急降下してくる。ヴォールは回避しようとしたが、その体が背後から伸びる触手に絡めとられていた

ハッ、こうなると思っていたわ

ミサイルの着弾前に更に多くの触手がヴォールの体に絡みつき、異合生物たちは次々と彼女へ飛びかかった。混沌の壁があっという間に大波のように崩れ、ヴォールを呑み込む

指揮官!皆!

その奔流はヴォールを呑み込んでからも止まることなく、こちらへ向かって押し寄せてきた

赤い光に満ちた宮殿内で、ザルクは玉座に静かに腰掛けていた。宮殿には誰ひとりいないのに、まるで極地に存在する全てが彼の足下に跪いているかのようだ

ザルク

膨大なデータフローを掌握するとは、こういう感覚なのか。これが最終マスターユニットの力……

開戦前にザルクが言ったように、ブラックボックスのデータ処理を終えれば、彼は全ての能力を解放し、最終マスターユニットとなる

その力を条件に、ヴォールを彼の代わりに戦場へと送り出した

だが、ヴォールは知らなかった――

データ処理は彼女が向かう前にすでに完了していたのだ。ザルクはただ座していたのではない、彼は「待って」いた。この力を最も効果的に爆発させ、最大の利益を得られる瞬間を

ザルク

「ラディクスの質点」が何であろうと知ったことではない……だが、真の統合の力とは、全てを支配する力だ。個体の中に「思想」を刻み込む力だ

予想していた全ての模倣因子を操るという効果はなかったにせよ、今の能力でもザルクの計画には十分だった

ザルクが侵蝕体を操れるのも、その力の延長だ。それは昇格ネットワークを支配することではなく、インブルリアと同様、「極地で生産される機械を支配する」力だった

ザルク

今の私は、より多くの模倣因子を起動し支配できる……魂に刻まれたものに、抗える者などいない!

侵蝕体、昇格者、空中庭園、あるいはその他の何者であろうと、もはや彼にとっては何の障害でもなかった

虚空へ、敵の存在する方向に向かい、ザルクは赤いオーロラに照らされた兵士たちに命を下した

ザルク

世界を統合せよ