Story Reader / 本編シナリオ / 39 冬冠の枯死 / Story

All of the stories in Punishing: Gray Raven, for your reading pleasure. Will contain all the stories that can be found in the archive in-game, together with all affection stories.
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39-4 ソフィア(1)

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最終便が出る前に物資を全部コンテナに積み込むんだ!さあ動け動け!

新ソフィア市の入り口前に、10数台の小型トラックが乱雑に停められ、荷台に半分ほど物資が積まれている。皆、積み込みの手を止めない。後方支援隊長の声もしゃがれていた

隊長、この荷物、どうやっても満杯になりませんよ。俺は先に出て、あとのは次の車に積み込ませた方がいいのでは?

だからこそ今急かしているんじゃないか!戦える人員は全員前線だ。ここに残ってるのがどんなやつらか、わかるだろう!

うわっ!

人々の動きはドタバタと慌ただしい。ある者は乾パンの箱を担いでよろけ、ある者は白い息を吐きながら医療箱を引きずっていたが、うめき声をあげながら地面へ倒れ込んだ

おい、大丈夫か?

ああ、なんとか。レンガにつまずいただけだ

男性は膝をさすりながら顔を上げ、次の瞬間、怒ってレンガを蹴り飛ばした

誰だよ!こんなもん道のド真ん中に置きやがって!

少し離れた鉄筋に、レンガが「ガンッ」と当たり、皆が一瞬動きを止めた

その視線の先の、いわゆる「城」は、まだ見栄えのするこの城門以外、穴だらけの地盤しかない

鉄筋は剥き出しで、建材が雑然と積まれている。その向こうの氷原にズラリと並ぶのは防寒テントで、彼らが以前、船で仕事をしていた時に使う掘っ建て小屋と大差なかった

一体誰の計画だ?こんなご立派な門を先に建てるとはな。まずは住める家を何軒か建てるべきだろ?

文句言うなよ。あの時の投票、お前も参加しただろ?

それは……

男はうっと言葉に詰まり、何も言えなかった――彼は、確かに格調高い大門を建てることに賛成票を入れた。新ソフィア市にそれなりの「顔」が欲しくない者などいない

しかし、街の建設に関わってこれほど時間が経つのに、暮らしは以前と何も変わらない。他の物資どころか、温かい食事すらまともに確保できていなかった

おい、そこ!サボるな!手を止めてボサっと何してる?前線がどれだけ逼迫してるか、わかってるのか!

わかってますよ!

急かされた男たちは文句を言うのをやめ、急いで物資を持ち上げて列に戻った

イヴァン、手伝ってよ。これすごく重いんだ……

じゃあ、ふたりで持とう

前線支援のため、子供たちまでもが運搬の隊列に加わっていた。イヴァンと友人は荷物の両端を支え、再びトラックの方へ歩き出した

そして大門近くの細い路地で、数人の男たちが輪になって話しているのを目にした

前線から知らせがあったが……もし本当にあれがザルク将軍だとしたら、降伏するのがベストの選択なんじゃないか?

イヴァンは彼らを知っていた。コミューンの古参で、昔は防衛線を守った経験もある者たちだ。今は警備団に回されているが、性格はアントノフよりも厄介だった

頭がおかしくなったのか?今のザルクは侵蝕体を操ってるんだぞ、人類の敵じゃないか!

もし本当に人類の敵なら、とっくに侵蝕体を後方に差し向けてるはずだろ?

俺たちの兵力なんてたかが知れている。ザルク将軍――いや、氷皇がその気なら、この辺りなんてとっくに蜂の巣にされてるさ!

だが、実際はどうだ?戦闘は続いてるが、氷皇は1度だって戦場以外に攻撃を仕掛けてはいない。なぜだと思う?お前ら、よく考えろよ?

航路連合の理想を実現するために、氷皇には国民が必要なのだ――それが、話し合いの末に彼らが導き出した結論だった

ソフィア市の時代を知り、氷皇を知り、ザルクを知る彼らにとっては、前線支援以外に、「降伏」という選択肢がある

もともと皆が航路連合の民であり、ソフィア市の民だった。それなら……なぜザルクと戦う必要がある?なぜソフィア市と戦う必要がある?

降伏すれば、問題は解決する。しかも犠牲は出ない

ねぇ……

お前たち、何をしてる!警備団だからって雑用しなくていいなんて思うなよ!さっさと物資を運べ!

3人の男は顔色を変え、慌てて服を整えると、逃げるように路地から出ていった

だが、路地に漂う言葉は、小石のようにイヴァンの胸を叩いていた――不安、迷い、そして説明しがたい困惑が風に乗り、新ソフィアの雪原に静かに散らばっていく

イヴァン!なんで手を離すんだよ!

少年の叫び声でイヴァンは我に返った。荷物は彼の手から地面に滑り落ちており、それを必死に引っ張り上げようとする少年の顔色は変化していた

あっ!ごめん!

イヴァンは力いっぱい荷物を持ち上げた。だが先ほど耳にした言葉が、氷の破片のように胸の奥に突き刺さって疼いていた