Story Reader / 本編シナリオ / 30 星屑のデュプリカント / Story

All of the stories in Punishing: Gray Raven, for your reading pleasure. Will contain all the stories that can be found in the archive in-game, together with all affection stories.
<

30-11 砕鏡

>

ルナと森はともに静寂に陥った

αは彼女の名前を呼んで、赤潮で構成された機体が人間の腐敗のような現象を見せていることに気付いた

αは深い眠りについたルナをリーフが検査できるように、ルナの体のパニシングを制御するようラミアに指示を出した

…………

意識海が非常に混乱しています。それに、不完全な状態で……

欠けた部分に汚染された情報が混入しています。まるで……

リーフが白夜機体を使った時のような?

リーフは一瞬、ためらいながら頷いた

あの時、リーフの意識海は汚染されて粉々になり、意識リンクを介しての回復が困難でした。リンクの確立すらできず……呼びかけにもまったく反応しなかったんです

代行者であっても、パニシングを制御できなくなれば引き裂かれてしまう……

リーフは今ここにしっかり立ってるわ。その時、あなたたちは何をしたの?

その時は……

ルシアは口ごもり、話してもいいかをこちらに確認してから、再度口を開いた

私がリーフの意識海に深く潜り込み、指揮官の遠隔リンク確立をサポートしました。リーフが落ち着いてから、彼女を連れ帰って治療を受けさせたんです

つまり……ルナを空中庭園に連れていくことに?

無理ね

ウィンター計画が残した傷を思い出したのか、αはぎゅっと眉根を寄せた

それ以外のことなら相談に応じる。必要とあればどんな援助でもしよう。潜行も私かαなら可能だ

それなら、まだ再起動をしてないのはなぜだい?何か心配事でも?

白夜機体と深層リンクした時、指揮官は汚染データで危うく……

ましてや、今回は相手が昇格者です

ふたりは沈黙した

あ、あの……

人魚は勇気を振り絞って、前へ進み出た

汚染データって、主にパニシングによるものだよね。それなら昇格者が制御できるはず

私が……手伝える。ルナ様を侵蝕しているパニシングを一時的に「停滞」状態にして、時間を稼いでみる

そんな精密な操作が可能なんですか?

プロファイルの記録では、ルナ陣営の昇格者たちの多くはパニシングを攻撃手段として使っている

最近……やっとできるようになったの

そんな訳ないでしょ……

…………

まあ、大体そんなとこ

と、とにかく、これについては私を信じて

ルナ様の機体は今も腐乱し続けてる。このままだと、じきに赤潮に戻っちゃう……

ルナ様、まだこの機体を完全に制御できないんだと思う……きっと、この状態じゃ制御できないんだよ

ルナが赤潮の中で何を経験し、どうやって無理やりあの場所を離れ、僅か数秒間の反撃のチャンスを掴んだのかまだわからない

しばらく考え、グレイレイヴンに向かって頷いた

お任せください、指揮官

皆が見守る中、再びルナの傍らへ近寄った

深呼吸して精神を集中させ、深層マインドリンク再起動の準備をする

視界の遥か向こうで、迷宮を彷徨う姿がちらちらと見え隠れする……