オブリビオンキャンプ
6:15 PM
また雨になりそうだ……
だな……レインコートを用意しておいた。いるか?
さすが、準備がいいな
その兵士がレインコートを受け取ろうと振り向いた瞬間、緑色の何かがサッと横切った
誰だ!
彼はすぐにその方向へ銃口を向けた
どうした?
何かがいる
ふたりがゆっくりと近付くと……
木の枝に引っかかった緑色の布が彼らの目に入った
なんだよ……神経質になりすぎだ
ああ……そうみたいだな
ホッとした彼らは気付いていなかったが、何者かが高所からキャンプ全体を見下ろしていた
かつてはここも掌握されていないエリアだった。だが彼が失踪している間に、新しい本拠地へと造り変えられていた
遠くにある記念碑は過去の面影を残しているが、地面はすっかり変わり果てている
キャンプ外周には装甲車両や戦車、自走砲が停まり、更に遠くではトラックが準備万端の兵士を乗せ、未知の前線へと運んでいた
バラード……なぜこんなことを?
やるべきことに対する迷いはもうないが、彼の心にはまだ疑問があった
相手に直接問いただしたい衝動を抑え込み、彼は自分のやるべきことを準備し始めた
リーダーを任された彼は、今、困難に陥った仲間を助けに向かうのだ
すまない、皆。遅くなった
ずいぶん待たせてしまったな
――暴雨が迫っていた