Story Reader / 本編シナリオ / 27 稗史刻む焔志 / Story

All of the stories in Punishing: Gray Raven, for your reading pleasure. Will contain all the stories that can be found in the archive in-game, together with all affection stories.
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27-11 軌道上の脅威II-名を持たぬ戦士

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国際宇宙ステーション

軌道高度2万5000km

ジャダ

この改造案じゃダメです!

何度も言いますが、生態ドームは必要不可欠です!まさか、全ての有機資源をスペースポートで生産すると?

管理責任者

冗談じゃない。それはエデンⅠ型をイチから造るような所業だ。どう考えたって工期が間に合わない

ジャダ

手抜きしたらプロジェクト全体が無駄になります。それじゃスケジュールを守ったところで意味ないでしょう?

フィリップ

とにかく……まずはテーブルから降りたらどうだ?

ジャダ

どっちの味方なのよ!

ノッポの背後の部屋から、隔離ドアを通して激しく口論する声が聞こえてきた

o((⊙﹏⊙))o

普段、柔和な声で優し気な女性がこんなに激しい怒号を上げるなど、ノッポは想像したこともなかった

管理責任者

こんな時なんだ、使えればそれでいい。完璧にする必要がどこにある?

ドンッ!

ジャダ

痛ッ……あなた、それでもエンジニア!?

鈍い音が響き、宇宙ステーション全体が揺れたようだった

’(°ー°〃)

「ようだ」ではなかったらしい

再び激しい揺れがあり、ノッポは危うく床に倒れそうになった

ジャダ

痛ったぁ……

フィリップ

痛いのは俺の方だよ!だからテーブルに立つなって言ったんだ。早くどいてくれ

管理責任者

コロリョフ、状況を報告してくれ

返事はなく、代わりに警報音が鳴り響いた

放送

警告、宇宙ステーションに未知の侵入を確認。全てのメンテナンススタッフは持ち場についてください……

警告、宇宙ステーションに未知の侵入を確認。全てのメンテナンススタッフは持ち場についてください……

管理責任者

侵入だと?地上から2万5000kmの軌道上だぞ!?

ジャダ

ドアが開かない!?

w( oдo)w

中の声を聞いて、ノッポはすぐに両手をドアの隙間に押し当てた。外骨格の油圧ジャッキのギギギという耳障りな音とともに扉がゆっくり開く

焦った様子の顔が3つ、ノッポの前に現れる

危ない!

背後からの風を切る音にノッポが気付いた時には、もう遅かった

彼は巨大な力で吹き飛ばされ、会議室の壁に激しく叩きつけられた

ノッポ!

襲撃者がその姿を現した。巨大な球状の機械が3人を見下ろしている

まるで獲物を狙うかのように

子供タチ、ヨク見テ……

その機械は、赤く染まった人間の体の一部をぶら下げた合金のアームを高く上げた。その影が腰を抜かした3人をすっぽりと覆っている

次ハ、最モ原始的ナ狩猟方法ヲオ見セシマス!

丸腰の3人は絶望に目を閉じたが、予想していた痛みは訪れなかった

最モ原始的ナ……ガガ……狩猟方法……ガガ……ヲオ見セ……

球状の機械は、擦り切れたカセットテープのように同じ言葉を途切れ途切れに繰り返した

そして、分厚い手が彼らを支え起こす

電磁拘束装置か?君がやったのか、ノッポ?

コロリョフの足下にある装置が強力な電磁波を放出し、その殺戮を食い止めていた

ノッポの影が頷く

は……早くここから逃げよう……いや、この宇宙ステーションからだ!

そう言いながらあたふたと動き始めた

ぼんやりするな、早く走れ!

他の3人がまだ呆然と立っているのを見て、彼は血相を変えて怒鳴った

は……はい!

ノッポ、大丈夫?

彼は答えず、ガクガクと足がふらついているふたりを手で支えながら進んだ

( ρ ·_·)ρ

さっき、私たちを助けてくれてありがとう

ふたりの研究員の足もようやく力を取り戻し、先頭の責任者に追いついた

彼らが前に向き直った瞬間、ノッポは装甲から滲み出た血をそっと拭った

('· _ ·)`