Story Reader / 本編シナリオ / 27 稗史刻む焔志 / Story

All of the stories in Punishing: Gray Raven, for your reading pleasure. Will contain all the stories that can be found in the archive in-game, together with all affection stories.
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27-10 軌道上の脅威I-飛んで火に入る夏の虫

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空中庭園

4:00 PM

艦首は空中庭園で唯一、遥か彼方の母星を一望できる場所だ

面倒な会議がない時は、ハセンはいつもひとりでここにいた

地球の上空には、かつての輝きを失った金属の残骸が静かに漂っている

それらはかつて人類の野心であり、栄光と力だった……

しかし前例のない敗北の前に、その利器は誇りもろとも粉々に打ち砕かれてしまった

また新しい10年だな

ハセンは覚えている。10年ごとにどのような栄光が生まれてきたのかを。宇宙探査機、低温核融合エンジン、自然改造計画、宇宙戦闘部隊……

しかしパニシング爆発後、そのような「10年」はなくなった

未来があるのかすらわからない今、人類に前へと進む計画を立てる余裕などどこにあるというのだろう?

議長、もうすぐ会議が始まります

ああ……今回の会議の内容を見せてもらえるだろうか

定例報告以外に……

セリカは端末の画面にふたつの項目を表示させた

討論すべき重要な議題はこのふたつです。グレイレイヴン指揮官の捜索範囲を拡大するか否かと……オブリビオンとの辺境紛争です

このふたつはある意味同一の問題ともいえます。オブリビオンが支配するエリアは、現在の我々にとって捜索の死角となっていますから

わかった、行こう

清浄地は人類に束の間の休息を与えたが、危険はいつも不意をついてやってくる

グレイレイヴン指揮官の失踪、音信不通のワタナベ、オブリビオンの異常な動き……いまだ解決できない事柄が彼の肩に重くのしかかっていた

ハセンは遠くの母星を一瞥し、沈黙する残骸の間に隠された未発射の弾道ミサイルがある辺りを見つめた

それら過去の武器は今も、静けさの下で進行中の危機があることを彼に告げているのだった

リロードする!援護してくれ!

ひとりの兵士が後退すると、すぐに別の兵士が前へ出た

弾切れだ、誰か持っていないか?

これを使え

未使用の弾倉が投げ渡される

それが最後だ!

銃声はまばらになり、12人いた攻撃部隊も残るは4人のみだった

前方の侵蝕体は、まだ黒い害虫のようにあちこちの隅から這い出してくる

最後の数発の銃声と同時に、カチカチという弾が尽きた音が聞こえた

総員、防衛ラインを縮小、接近戦に備えろ!

残った3人の兵士はすぐに操作台の近くへ後退した

彼らは防護服を着たニタを中央に囲むようにして守っていた

隊長、彼女の状況は?

重体だが、まだ息はある

ニタはいつの間にか昏睡状態に陥っており、防護服の隙間からは血が滲み出ていた。端末に表示される彼女の心拍数で、ワタナベは彼女の生存を確認していた

研究員はひ弱だとばかり……

兵士はサバイバルナイフを目の前の侵蝕体の集積チップに突き刺し、ニタに襲いかかろうとしたもう一体の侵蝕体を蹴り飛ばした

彼女は全身全霊で任務を完遂した

ああ。次は我々の番だ。救援が来るまで必ず踏みとどまってやる

楽観はできないぞ。道中にも侵蝕体がいる。救援部隊が突破するにも時間がかかる

気分がアガるようなことを言えよ、冷水かけてどうするんだ?

お前たち、黙ってしっかり動け!

近付いてきた侵蝕体がククリナイフで真っぷたつにされ、軍靴がその頭部を踏み潰した

バラード教官、救援はどのあたりに?

人員もほぼ失い、もう持ちこたえられません

返ってきたのは、耳障りなザーザーという音だけだった

くそっ、また通信に問題が?

おい、何か聞こえないか?

地面が揺れている?

通信を切ったワタナベは、その耳障りな音がヘッドセットから聞こえた音ではないことに気付いた

近付いて来る!大型侵蝕体かもしれない!

一筋の光が、闇夜の稲妻のように薄暗い地下空間に差しこんだ

???

ハイビームで兵士たちの目を眩ませるつもりか!?

運転席で怒鳴り声が微かに聞こえた

工事車両が唸りを上げて、闘牛のように侵蝕体の群れへ突っ込んだ。先ほどまで手こずっていた侵蝕体たちを押し倒し、踏み潰していく

赤い波はふたつに割れ、その波を割った工事車両はワタナベたちの前でゆっくりと停止した

後ろのハッチから完全武装の兵士が飛び出し、残っていた侵蝕体を掃討し始めた

待たせたな。このデカブツを動かすのに手間取った

お前たちがセキュリティゲートを開けておいてくれたお陰で、ここまで来れた

バラードの視線は残っていた数名の兵士たちをかすめ、最後に地面に倒れているニタの上で止まった

医療班、救助を

お前たちも先に車内へ戻れ。状況を説明しろ

……宇宙部隊へのエラーコマンド?

彼女は具体的に何と言っていたんだ?

いえ、彼女はそれだけを伝えるのがやっとでした

そうか、彼女が意識を取り戻してから訊くしかないな

……

父親が心配か?

迷うことなく青年は頷いた

ふむ……

バックハウスから聞いたが、訓練中の模擬飛行は満点だったそうだな?

そんなこともありましたね

ニタは予断を許さない状況だ。医者も彼女がいつ意識を取り戻すか正確な判断はできない

バラードはワタナベに聞かせつつ、自分にも納得させるかのように、ゆっくり話した

先ほどの話の様子では、指示されたエラーコマンドは、単なるヒューズが切れた程度の小さなものではなさそうだ

ワタナベ、命令を下す!

この任務はゲシュタルト救出作戦の延長だ。現時点でお前は部隊内で唯一、他の設備の支援なしで宇宙飛行ができる人物だ

私は本作戦の隊長として、宙空両用輸送機で宇宙の状況確認に向かうことをお前に命じる

指示されたエラーコマンドの内容を、必ず明らかにしろ

バラード教官、それはつまり……

ためらうワタナベを見て、バラードは眉を吊り上げた

任務を拒否するのか?

いえ、できます!

なら行け。ここは私に任せろ

スペースポート

軌道高度1万km

定例会が始まる前に、紹介したい人物がいます

会議室内では、各宇宙船から来た指揮官たちがテーブルの両側に座っていた

この月に1度の定例会議は、彼らが宇宙船を離れる数少ない機会だ

皆さんも彼の名はすでにご存知でしょう。「アイレ島のホークビーク」、世界政府のエースパイロット……

会議のテーブルについていた指揮官たちはざわついた。アイレ島は世界政府のパイロット育成の場であり、新型戦闘機の実験基地でもある

そこから数十人のエースパイロットが輩出されたが、「アイレ島のホークビーク」と称される者はひとりしかいない

シリル、入ってくれ

言っただろう、そんなたいそうな名で呼ぶなと

ここへ来たのも、私にやることがあるからにすぎない

その体からは長年の戦いの跡が見て取れた。身体機能の衰えはまず顔に出たらしい。シンと同年代のはずの彼は、すでに皺だらけだった

これは彼の戦いの痕跡であり、消えることのない勲章なのだ

先月、最新式の宇宙戦闘機――フェンリルがスペースポートに輸送されました

これからシリルには彼の部隊を率いて新兵訓練を行ってもらいます

訓練期間は……

大きな揺れが会議室を襲い、轟音と警報が同時に鳴り響いた

管理員、状況の報告を!

その問いには短い電流の雑音以外に何の応答もなかったが、放送が流れ始めた

放送

各ポートの作業員は注意してください。旗艦「奇跡号」が離岸しました。ナビゲーターは所定位置に……

放送

各ポートの作業員は注意してください。護衛艦「雄心号」が離岸しました。ナビゲーターは所定位置に……

次々と流れる放送が、旗艦を含めた30艦の宇宙船の出港を告げた

どういうことだ!出港命令なんか出てないぞ!

私の制御権が失効している!

シンは旗艦内にまだ残っているはずの副官へ連絡を試みたが、冷たい自動音声が連絡不能だと答えるだけだった

もしもし、聞こえますか?

こちらは宇宙船戦闘部隊指揮官――シンだ。すぐに管理員に状況の報告を願いたい!

管理員は……すでに犠牲に……宇宙船の低温核融合エンジンが起動した時、彼はちょうど停泊ポートにいまして……

相手はそこで言葉を止めた

……冥福を祈る

私から状況を報告します

先ほど、ポートに停泊していた旗艦を含む30艦の宇宙船が突然起動しました

停泊ポートでいつもの整備作業をしていた320名の作業員が犠牲になり、係柱機能もひどく損傷し、重力場が不安定になりました

宇宙船に残った作業員に連絡を取ろうとしましたが、応答はありません

地上との交信も途絶えているので、すでに人を地上本部へ向かわせています

発艦した宇宙船がどこに向かっているかわかるか?

……エデンⅡ型かと。宇宙船は加速しつつまっすぐエデンⅡ型に向かって飛行しています。予測ではあと10分で衝突します!

会議室が死んだように静まり返った。宇宙船を熟知する指揮官たちは、スペースポートの自衛戦闘力では宇宙船の脅威に対抗できないと知っている

私が部隊を率いて向かおう

いや、それでは足りない

シリルの飛行部隊はシンも考えたが、フェンリルは宇宙船のような大型の敵を想定した設計ではない

ましてや今出発するとしても、出発準備中に宇宙船群は更に加速し、フェンリルが追いつくのは至難の業だろう

他に方法は……

待ってください。「雄心号」が加速を停止したようです……「群星号」も加速停止!

本当か?

宇宙船内部の誰かが止めたに違いない!

しかし更に質問が飛ぶ前に、端末からの通信音がその発言を遮った

宇宙船を止める。我々が最後にできることです

スティーブ……

その後も届く通信に、希望に湧きたった心は再び谷底へと突き落とされた。作業員からの報告はどれも宇宙船の加速を停止する旨の報告だった

ごく短いメッセージは、どれもが託された遺言だ

どうか船を止めてください

後は頼みます

人類への罪人にはなりたくない

お先に失礼します

……

最後にシンの端末にも通信音が鳴った。それが死の通知を意味していることは見る前からわかっていた

……

逃げることはできない。私が最後の生存者だから……迷わず行くよ

彼らの戦いを知る者はいない。彼らに別れを告げられる者もいない

宇宙船にいた者たちは示し合わせたかのように、同じ道を選んだ。なぜなら皆が、同じ立場だったからだ

勇敢な者たちは己の全力を出し尽くし、前へと進んだ。そして彼らに後を託した

全員、中央ホールに集合!

スペースポート中央ホール

スペースポートと宇宙船戦闘部隊の指揮システムに所属するほぼ全員が、そこに集まっていた

地上との通信はまだ回復しないか?

まだです。一般チャンネルも暗号化チャンネルも不明な発信源からの干渉を受けています

チャンネルを調整して接続を試してみますが、運頼みでして……あまり期待はできません

派遣した連絡員はどうなった?

あと1時間はかかる予定です……構造体パイロットがいないため、極限速度での飛行は不可能です

宇宙船の状況は?

ナビゲートステーション

あと30分でエデンⅡ型と衝突します。その際発生する破片は月面基地を破壊するに十分な量です

連鎖反応で月の質量の30%相当もの隕石が地球に落下し、地上の設備は全て破壊されるでしょう。地下シェルターでも安全とはいえません

もう時間がない……

地上からの救援が来る前に、宇宙船が人類最後の砦に衝突するという明白な事実が、彼らの目の前に突きつけられた

もう方法はあれしか……

ええ……我々で宇宙船を破壊するしかない

そ……そんな……

ポートの臨時管理員は驚愕したが、各宇宙船の指揮官たちはすでに覚悟を決めていたようだった

彼らは前時代の軍人だ。宇宙船が勝手に離岸した時から、最悪の事態を想定していた

制御不能な武器は災厄をもたらすだけ。ならば、唯一彼らにできるのはそれを破壊することだ

しかし……我々の装備で船を破壊するのは無理です

強力な武器は必要ない。宇宙船のエンジンには低温核融合炉が採用されている

低温核融合炉の制約条件を破壊すれば、実質的な水爆となり得る

現在は低出力で運転しているため、威力は予想よりも小さい。だが内部からの爆発なら宇宙船を両断するには事足りる

ですが、エンジンルームへ進入する方法がありません……

別の入り口があるだろう?

彼は炎を吹き出している噴出孔を指さした

この場所から爆弾を送り込むつもりか?

そうだ

スペースポートの備蓄は十分にあるはずだが、高温にはどう対処する?ミサイルの外郭は耐えられない

スペースポートの救命艇は極めて過酷な環境にも対応できる設計だ。突入するくらいならなんとかなる

ま、待ってください。勝手に話を進めないでください……そんなやり方じゃまるで……

誰かが爆薬を積んだ救命艇を操縦し、宇宙船の噴出孔に突入する……要約するとそういうことだ

そう穏やかに話す様子はまるで訓練の説明をしているようだった

しかし、エンジンはまだ稼働しています!

エンジンが止まっていれば、こんなことをする必要もないだろう

幸い、爆発するのは一瞬だ

それで……一体誰が行くんです?

これは自ら火中へ飛び込む、決死の任務だ

私がチームとともに行く

すぐにその片道切符を手にしていた者がいた

飛行経験なら、我々が最も適任だろう

……

皆さんの勇気には感謝する。しかしあなたたちの未来はまだ空の向こうにある

この任務は我々が

しかし、彼らの手によって死神の招待を受ける者もいる

我々は半生を宇宙船とともに過ごしてきた。その弱点は誰よりもわかっている

すでに前に進んだ者がいるのに、我々が遅れをとる訳にはいかない

あなたたちは……

わかってくれ。我々はすでに覚悟の上なんだ

彼らの言う通り、我々は半生を宇宙船で過ごした。宇宙船について我々より詳しい者はいないはずだ

同時に、宇宙船が壊滅すれば我々の経験には何の意味もなくなる

彼はそう言って、防衛の要だったはずが今や脅威そのものになってしまった巨大な船を見つめた

だが君たちは違う。宇宙船がなくなっても人類は天空を諦めない

次の世代に残すのは、指令を与える老将ではない、 希望と明るい未来だ

未来は成長し続ける若者たちのものだ。シリル、君は彼らを導く者なんだ

だから……我々は先に行く

彼はシリルの肩をポンと軽く叩き、再び部下たちの前に立った

旗艦「奇跡号」、指揮陣は前へ!

――彼らは死を恐れず進み、己とかつての奇跡のために死出の旅路へと赴く

護衛艦「雄心号」、指揮メンバーは前へ!

――胸に抱いた大望は消えようとしているが、彼らがそれで落胆することはない

「群星号」……

――願いを込めた星の群れは今まさに墜ちようとしているが、彼らは決して怯まない

「開帆号」……

――なぜなら、彼らはずっと信じている……

――星々はまた空に昇り、大望は誰かの胸に再び抱かれる。人類は再び帆を張って出港し、宇宙に彼らの軌跡を描くのだと

300名の指揮メンバーは夜明け前の闇を照らす光になるのだ

高エネルギー爆弾を積んだ救命艇がスペースポートからそれぞれ離脱を開始し、強固に組まれていた宇宙の壁も崩れ始めた

臨時管理員

指揮官、指示通り電磁パルス防御シールドを展開しました。待機中のスペースポートの自衛武装で地球へ向かう残骸をできる限り撃墜します

安全を確認後、君たちは後続の計画に従って体制を立て直し、エデンⅡ型に合流するように

あの大きさの植民艦でなければ、重力場の再調整を支援できない

臨時管理員

了解しました!

ご武運を……お祈りします

通信が切れ、コックピット内には単調なノイズだけが残った

準備は万全か?

ああ、彼らならうまくやってくれる

最期のメッセージは誰に?

息子に

命のカウントダウンの中、彼らはずっと気にかけながら、時間に追われて後回しにしていたことを話し始めた

そっちは?

私には話なんかないさ。ただ彼らのところへ行けばいいからな

あいつらはいつも私に、一緒に過ごす時間が少なすぎると文句を言っていた。会って謝らないと

君は彼らの誇りだ

どうだかね。今度は来るのが早すぎると文句を言われるかもな……

いよいよだな

巨大な宇宙船はもう目の前だった。宇宙船群の前では、300艘の救命艇など蛾のように小さく見える

指揮官C

正直に言うが、まだ少し怖いんだ

指揮官B

おいおい、このタイミングで……こっちまで手が震え出したぞ!

指揮官C

我々300人ぽっちで本当にやり遂げられるのか?宇宙船の防御網はまだ稼働していると表示されているが

シン

集中するんだ。宇宙船1艦につき10人を割り当てたのには理由がある

攻撃範囲に入ったらただちに分散し、全滅を回避する

指揮官A

たとえひとりでも突入できれば十分だからな

指揮官C

支援ナシか……孤独なもんだ……

???

戦力不足の点は心配無用だ

突然、通信チャンネルにしわがれた声が飛び込んで来た

シン

シリル?

若者の声

教官ひとりじゃありませんよ

何も映していなかったはずのレーダー上に、100近い数の緑の光が突然現れた。友軍ユニットの識別信号だ

シン

シリル!スペースポートにいろと言ったはずだ!

シリル

シン、若者の覚悟と頑固さを侮ってやるな

ずっと彼らを守ることばかり考えていたが、彼ら自身に空を支える力があるとは考えなかったのか?

シン

……

シリル

この戦いに部外者はいない。我々にもできることがある

オイフェ

第1航空部隊オイフェ、報告します

ケンリー

アイレ島3期訓練生ケンリー。あの防衛ドローンは我々が阻止します

ソフィー

第3航空母艦戦闘部隊パイロットソフィー。どうか安心して任務を遂行ください

ウィリアム

第2特殊作戦部隊ウィリアム……

通信チャンネルからひとつまたひとつと聞こえる報告が、寂寞とした宇宙の孤独を埋めていく

シリル

人類が初めて火を発見して以来、我々は知恵と勇気をもって不断の旅を続けてきた

25万年前、我々は獣を倒し、食物連鎖の頂点に立った

数千年前、我々は大地を征服し、この星に文明を芽生えさせた

たった200年足らずの間に、陸に続いて海と空までも征服した

そして今、かつての創造物が我々の歩みを止めるだと?

フェンリル計画総教官として、命令を下す……

撃て!決死隊の任務完遂を全力で支援せよ!

武器と威力で、誰が真の主かを教えてやれ!

無数のエネルギービームと実弾が戦闘機から放たれ、無音の宇宙空間で、人類史上初の宇宙戦が始まった

シン

総員、全速前進!

蛾は小さく卑小だが、火に飛び込む勇気はある

勝利を掴み取れ、それが惨憺たる痛みを伴う勝利であっても――