切断機の燃料が足りません!
セキュリティゲートに何度も何度も阻まれたため、ワタナベは強行突破することにした
しかし科学理事会は設計初期にその点をしっかり考慮していたのだろう。各セキュリティゲートは切断機に大量の燃料を消費させていった
……撤退だ。燃料を補給する
分厚いゲートを前に、ワタナベはやむを得ず撤退命令を下した
もしセキュリティゲートという障害がなければ、地図を頼りに迅速に最深部へたどり着けたが、今は……
その必要はありません……
力のない声が再び耳元に聞こえた
急ぐのはわかるが、今は撤退しなければ……
私がセキュリティプログラムを解除します
重そうな足音が響き、分厚い防護服を着た人物の姿が近付いてきた
でも先に息を整えさせて……すごく重くて……汗だくだわ……
その相手の声はいつにも増してぐったりしていた