クレイドルパレード
4月1日、早朝、失踪事件から1年後
グレイレイヴン指揮官と612名の死者を載せたクジラのような棺が、深海からその枷を外して解き放たれた
彼らはもう、誰にも気にされなくなった捨て駒
彼らの死には無念と迷い、孤独が満ちていた
彼らは望んだ終点にいまだたどり着けていない
しかし今、せめて今だけでも――
我々が過去の歌をクジラの声に託し、その鎮魂歌を口ずさみながら、帰ることのないこの道を歩むのを許してほしい
我々は仲間や先輩たちの血で塗り固められた道を歩き、今日まで生き延びた
今、あなたたちのお陰で生き永らえた命を、次の人々に託す
――たとえこの身が赤潮に溶け、誰にも悲鳴が届かなくても
――我々は死しても進み、死体のパレードは続く