Story Reader / 本編シナリオ / 25 潰えぬ燎火 / Story

All of the stories in Punishing: Gray Raven, for your reading pleasure. Will contain all the stories that can be found in the archive in-game, together with all affection stories.
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25-6 声なき痛み

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朝日が昇り始めると、地平線の向こうに112号保全エリアの輪郭が浮かび上がってきた

もうすぐです……ッ

意識海に少し痛みが。昨日干渉されたから、その後遺症でしょう

たいしたことはありません。進みましょう

112号保全エリアは空中庭園の記録に「異合生物に襲われた保全エリア」と記され、異合生物によって壊滅したと書かれている

襲撃時には食料収集のため外にいた数人の住民が生き残っただけで、保全エリア内の住民や支援に赴いた執行部隊は、全て死亡が確認されていた

その後、近くの荒野で人骨が発見されたが、それが当時の112号保全エリアの住民のものかは確定できていなかった

もし、アシモフがウィンターキャッスル内部の実験記録の中にこの保全エリアの記録を見つけたとしたら……

わかりません。でも一定の周期で、多くの人や重傷の構造体がユートピアに送られてきました

勉強の合間、彼らと話すこともありました。彼らはさまざまなところから来ているようでした。保全エリアやオブリビオン……それに空中庭園からも

実は、セシリア姉さんは空中庭園から来たんです。でも空中庭園のことを訊くと、彼女はいつも笑って首を振るだけで……なんというか、気まずそうでした

クッ……

エコーはまたこめかみを押さえた

……ええ、でも大丈夫です

……はい

彼女は珍しく休憩の提案を断らず、道端の綺麗な場所に座りこんだ

その間に彼女の「物語」から得た情報をまとめてリーに送った。情報はリーが暗号化してからアシモフに送られる

どうやら黒野が秘密の私兵、「オーロラ部隊」を持っているのは確実なようだ。そして彼らは地上にある「ユートピア」という名の飛行要塞を拠点にしている

「ユートピア」の最高責任者はピークマンという医学博士らしい。そこでは空中庭園から来た構造体を収容し、その中にセシリアという構造体の女性がいた……

だが負傷した構造体や保全エリア住民の収容施設を建造するなんて所業を、あの黒野がするだろうか?

リーへ情報を送ってからエコーを呼んで出発しようとした瞬間、鎧が突然ブーンという音を発した

うっ……姉さん……

お父様……や……やめて……

小さなモーター音が前から響いていた……意識海干渉器を搭載したドローンだ!

リーに救援を求めると同時に、エコーの状況を急いで確認する

……指揮官……?

まだ少しは意識があるようだ……

……[player name]?

この通信は傍受されるリスクがあるぞ。早く話せ

リモート診断しろと?俺を超能力ドクターだとでも思ってるのか?

……意識海を直接攻撃するだと?

アシモフがようやく聞く気になってくれたようだ

彼女にまだ意識があるなら、リンクして深層意識海に入り、内部から安定を図るしかないな

だかとても危険な行為だぞ。マインドビーコンで深層リンクをするんだからな。まして彼女は未登録の構造体だ。意識海に何がいるかわかったもんじゃない

そもそも、なぜそんな女と一緒にいる?

一時的な協力関係だと……

粛清部隊より先にエコーを空中庭園に連れ戻せば、黒野に先手を打てるはずだ

危険であるのに変わらんが、言ってることも一理あるな。慎重にやるんだぞ

それと、意識海を干渉する装置のサンプルを持ち帰ってくれ

……そろそろ切る。何かあればこのチャンネルに連絡を

アシモフはそう言って通信を切った

うっ……

エコーは苦しそうになんとか返事をしてきた

エコーはOKというように指を動かした

意識リンク——開始!