αの左手に緋色の粒子が集まった。同時に、彼女とルシアの意識が繋がった
意識海に漂っていた騒々しい音が静かになり、同時にルシアの侵蝕率も下がっていく
さっきの戦闘で力を消耗させてコントロールする方法を模索したのですか?
勘付いた?
何度もあなたと戦ってきたんですから、それくらいの異変はわかります
「あなたのことはよくわかってる」みたいな顔をしないでほしいわね……でも、今回は当たり
どうしてそんなことをしたんですか?
時間を稼ぐためよ
確かにあなたの言う通り、今の私たちにとって昇格ネットワークは共通の敵よ
でも本当に私たちが生きるか死ぬかの勝負をすれば、それこそ選別の真の狙いかもしれない
つまり、私たちが互いの位置を感知できるのも、選別の一環だったということですか?
選別とは一体……何なんですか?
……それは昇格ネットワークと繋がればわかることよ。昇格者になる気はあるの?
ルシアは首を横に振った
ならこれ以上訊かないで
ついて来て。あなたに協力してもいい
もちろん、今やめたっていいわよ。誰かに見られたらグレイレイヴンに飛び火するだろうし
この件は指揮官たちとは無関係です。私は事前にメッセージを録音をしておきました
フン、そんな慎重になることないじゃない。あの場所は光に晒されてはまずい場所だから
公開されてどちらが大混乱になるか、まだわからないけど
……あなたは何を調べていたんです?
北アジア生命科学と進化研究所。わかりやすく言ってあげる、ウィンターキャッスルよ
そこにあなたがずっと調べていたウィンター計画の記録、一部始終もある。あそこは黒野のやつが宝箱の奥底に隠している実験室よ