ナナミ様、要求にシンクロする、高効率の演算力を持つ施設を発見しました
再びナナミと合流したハカマとシブナは、ゼロが人間に対して最後の襲撃を仕掛けた事実を知っていた。ハカマはナナミの様子を不安そうに窺っている
うん、ありがとう!
ゼロの最後の戦いを阻止する計画は失敗だったね。次こそナナミは全力で頑張らないと!
今の状況を把握して、リンクできる端子も見つけなきゃね
落ち込んでいなさそうな彼女の様子を見て、ハカマはようやく安堵したようだ
こちらも整理が終わりました――これは機械教会の中心メンバーの情報、更にこれまでの戦闘における重要事件です。でもセージ様、これらを何に使うのです?
資料を整理してやっとわかりました。私たちと人間の初めての衝突は、かなり前に起きていたようです
そう話したあと、シブナは黙ってハカマを見つめた。ハカマはその視線を避けるように目をそらした
ハカマに関係すること?
……事実です、申し訳ありません。セージ様
かつて私は中心メンバーとして機械教会の「方舟」計画に参加していました。そこで輝ける行進者とともに、人間の「エデン」に公けに初攻撃を仕掛けました
もし原因調査をご用命なら、その理由は……
とうの昔に終わったことです。あなたのせいで人類と開戦した訳じゃない
もしセージ様があの時に機械教会におられたら、まだ挽回の余地があったかもしれません
ナナミ、いなかったの?
……はい、当時はまだセージ様を検知できておりませんでした
ハカマは申し訳なさそうに視線を外した
ふーん。でも大丈夫だよ。今回は、ナナミはハカマの雄姿を見逃さないからねっ!
少女はニヤっと笑ってウインクした
さあ、ハカマねーね、案内して!
パワーに搭乗し、太陽の光に包まれた堂々としたその勇姿は、出征前の偉大な将軍のようだ
……承知しました
少女の胸の内はわからないながらも、その笑顔につられてハカマも微笑んだ
お連れします、セージ様
幸い、条件に合う最も近い施設は、直線距離で1.284kmほどです
それって……機械教会の本部じゃないの!?
一同は広場の一角の巨大ゲートの前で立ち止まった
はい、不運なことに「それ」は「グレイタワー」のコアです
塔のコアって、地下にあったんだ?
コアが機械教会本部の演算を担っています。更に「グレイタワー」建設を主導したのは「カグウィル」です。解析から大量のカグウィルが警護していると推測されます
彼らに嘘は通用しません。機械教会に秘密なんてありませんから
シブナは自分の頭を指さした
「聖地」の信者の交流は、筒抜けです
それがこのデッカイ機械組織の特徴ってこと……でも、それじゃあんまり……
だからマーレイは……
何のことです?
何でもない。行こう!