Story Reader / 本編シナリオ / 13 終焉の福音 / Story
空中で真っ白なふたつの影が交戦している。凄まじい速度の攻防は、もはや肉眼で追うのが難しい
ただ、弾けたエネルギーが石の壁に残していく大きな傷跡だけがはっきりと見える
高さを制しているのはルナの方だ。ルナは異合生物を地面にたたきつけ、地面は衝撃のあまり大きく割れた
ふ……は……
異合生物を打ち負かしたとはいえ、ルナの消耗も相当なものだ
さすがはルナ様……実に素晴らしい
……
ルナは黙ったまま自分の両手を見つめていた。確かに自分はまだ全力を出していないものの、敵の力は想像をはるかに超えていた。しかも……
（昇格ネットワークの力が弱まっている……）
ですがルナ様、戦いはまだ終わっていないのですよ……
土煙を舞い上げながら、真っ白な異合生物が立ち上がった。翼を全開にし、ルナに劣らないオーラを発するその体には、傷ひとつない……
……ずいぶんと頑丈なのね
異合生物は手のひらに赤い光を集め始めた。ルナもそれに応じるように、赤い光線を射出する
激突し、歪曲し、拡散した光が、断崖ごと破壊せんばかりに暴れまわる
ほどなく、ルナの光が相手の光を凌駕し、異合生物はエネルギーに飲み込まれて、地面に叩きつけられた
Video: ルナスチル第一段階
そんな……ガブリエルのやつ、ルナ様にまで……
ルナはどうなってしまうんですか！
わ、私だってわからないよ……
おい、魚類女。集噛体の前に出るルートを知っているよな？さっさと案内しろ
そんなこと言うけど私、縛られてるんだよ……早く歩けるわけないでしょ、せめて尾びれをさ……
リーはため息をついて、ラミアの下半身の拘束を解いた
やった！やっぱ指揮官っていい人だね！
無駄口を叩くなよ。さっさと歩け
や、やめてったら――もう余計なこと言ったりしないよぉ
ラミアはあきらめたようにため息をついてから、ニカッと笑った
へへ……ついてきてよ……すぐ近くだからさ……
